「力不足」「軟弱、貧弱、無理」「とんでもない」。今日の細木数子大先生は容赦ない口撃を続ける。「最低の最悪」「ほんと、空気読めないね」。これらはすべて、再来年の春に偉大なる父「三平」の名を継ぐ林家いっ平を評したコメントである。
異例の2週続けての落語家ゲストとなったが、相変わらず二世タレントを地で行くいっ平。父親と家族の話題(とりわけ姉・泰葉の離婚会見)がなければ、30分間のトークコーナーのゲストという大役はおぼつかないだろう。逆に、番組の司会進行役である「くりぃむしちゅー」の2人が、今日はやたらにスマートで堂々と落ち着いて見えた。滅多にない異状事態である。
姉の会見のウラ話でも面白おかしく語れば、いつも視聴率を気にする大先生の評価も上がっただろう。が、期待に反して会見時と同じような説明を繰り返すいっ平。なお、センセイはこの離婚を20年前に泰葉に予言していたそうで、この時だけは「六星(占術)ってすごいねー」と自画自賛のご満悦であった。
さて、トークは能弁とは言いがたいいっ平だったが、センセイに鑑定して欲しいことは山ほどあった。三平の襲名時期は適切か、三平という名前は自分にとって相性は良いか、結婚はいつできるのか云々。「ラッキーカラーでも教えてあげてください」とくりぃむしちゅー・有田が小馬鹿にする。
センセイの見立てでは「(いっ平は)いろいろなトラウマを引きずり過ぎている」。具体的には、父親の死や、弟子時代にいじめられたこと。いっ平によると、まさにその通りなのである。「三平さんにはなれないね」とセンセイは満足げに含み笑う。
少しは明るいアドバイスを、と上田のフォローが入ると、それを受けてカズちゃんは言った。「まずは結婚したほうがいい」
三平の陰には、妻の海老名香葉子の支えがあった。いっ平も女房がいてはじめて、三平という重い名前に耐えられる。しかし、いっ平によると、いまのところ交際相手はいない。嫁探しという難題、その解決策は――簡単にして明瞭であった。「お母さんに決めてもらいなさい」
「おい、しっかりしろよ」。番組最後、ドラ声のセンセイに思いっきり背中を叩かれたいっ平は前につんのめり、「はい、頑張ります」とぎこちない笑顔で答えていた。ゲストとホストの関係が、今日ほどジャイアンとのび太のそれを思わせたことも、そうはない。
さて、次週のズバリ!、ゲストは――主婦活動に勤(いそ)しんでいるという菊池桃子。はたして加藤紀子の轍を踏んでしまうのか。お楽しみに!