ニュースをすべて芸能人のスキャンダルのように処理するのが民放各局の朝ワイド。だとしたらスパモニはちょっとユニークだ。
視聴者、つまりフツーの市民の目線から問題意識にストレートにぶっつける。ターゲットにとって他局の取材より手強そうだ。
この日は<独立行政法人にちょっと待った!>第5弾。タフなファイター・タイプの玉川徹・リポーターの追求のインタビューには迫力があるし、フットワークも軽い。大臣室に入ってもたじろがない。
「実は独法改革が出来るのか、出来ないのかいまヤマ場にきています。そのなかで今日は本丸中の本丸です」
パネルにずらりと並び書きされた"血税吸い取りシステム"=独立行政法人。そのなかのひとつ<都市再生機構(UR)>を赤マジックで囲んだ。
スパモニはこの独法糾弾シリーズで、渡辺行革担当大臣にインタビューしている。
カメラが止まってから渡辺大臣の言質をとっていた。
「UR、あれこそが独法改革の本丸なんだよ」
・・・担当大臣でも簡単に手を出せない国土交通省の既得権益の牙城なのだ。
ニホンの高度成長期に住宅が不足していた。URの原点、住宅公社は例えば東京だと多摩などに団地を作ってそれなりの役割りがあった。重要なことは21世紀になったいま、その役割りはとっくに終わっているのだ。
渡辺大臣はURが手がけた東京の豊洲などのマンションを視察した。スパモニが同行取材をしていた。そこにひょっこり姿を現したのがUR都市再生機構の小野邦久理事長。元国土省事務次官。もちろん天下り。
スパモニがインタビューを申し込んでも決して応じなかった「闇の城主」だ。
「土地基盤の整備事業は公的な機関がやるべきだ」という。
玉川徹は食い下がる。「基盤整備だって民間がやっているでしょう」
現実に六本木ヒルズの基盤整備にかけた費用は約3%。URだと約38%という。
この差はどう理解していいのか。
「必要でないのは廃止。民間で出来ることは民間で・・」渡辺大臣の発言と180度のズレがある。
政府は廃止という。官僚はスクラムを組んで「従来通り」・・・スパモニが提示する「どうして?」の疑問は、視聴者のやりきれない思いを増幅させるばかりだ。
民間でやれる事業に年間1000億円の税金を投入。彼らの給与は国家公務員のプラス20%。格安な職員住宅・・・
ポイントは構造的な天下りシステム。関連事業のすべてに天下りシステムが連動してファミリー企業になるから、官庁としては命がけで温存したいシステムになっている。
「生き残ろうとあがいてます」と鳥越俊太郎。スパモニのスタンスを応援したい。