香川県坂出市の行方不明事件では、昨日現場近くの岸壁で血痕が見つかり、一時騒然となったそうだ。
しかし事件との関連は薄いらしく、発生(発覚)から今朝にいたるまで、めざましい進展はない。
みのもんたも「3人をはやく発見してほしい」と毎日繰り返している。一方で、番組の時間枠はさらに拡大し、田宮榮一・元警視庁捜査一課長や大沢孝征弁護士を呼んで、後半の一時間をまるごと行方不明事件にあてた。ただし、内容は主に捜査の常道についての一般論にとどまった。
いつもテレビ番組と出演者をあげつらっている当欄だが、たまには視聴者側の問題を自戒も込めてマジメに書いておこう。ちょうど昨日、あるタレントが、この事件についての推理をブログに書き込んで、事務所から1年間の活動停止を命じられたということもある。
今回のような事件が起きると、筆者も、猫も杓子もタレントも「犯人捜し」に参加する。推理小説を読むように、与えられた情報の枠のなかで事件を組み立て、出来事同士や登場人物を結びつける。
現実の事件には、伝えられない証拠や”不審な出来事”がごまんとあり、その解釈は百万とある。有力視された情報がまったく無関係だったり、犯人は想定外の通りすがりだったりする。テレビなどを通しての犯人捜しは楽しいが、それはほとんどフィクションの世界だということを心するべきだ。
ときにはテレビがある人物に誘導してるように見えるかもしれない。しかし、それは罠なのだ。うっかり引っかかって、ストレートにブログにでも書いたら、地雷にむかってダイブするようなもの。そこは視聴者が、注意深く考えないといけない。