守屋武昌・前防衛事務次官の不祥事の火の粉をかぶった額賀福志郎財務相はきのう(20日)また、朝日新聞のスクープで揺さぶられた。「官房副長官時代に、防衛庁入札参加で山形の建設会社の口利きをした」というのだ。
一種の内部告発というのか、元仙台防衛施設局長だった太田述正氏が証言したもので、2000年3月2日に守屋氏を通して太田氏の部下に、「額賀氏から、口添えをしているのに動きが悪いとクレーム」があった。また、3月14日には、建設会社の幹部が「額賀氏の秘書から行けといわれて」と挨拶にきたという話。
太田氏は、なぜいまこれを明らかにしたかについて、先の守屋前次官の証人喚問をあげる。「政治家から圧力を受けたことは?」との問いに、守屋氏が、「建設関係で防衛省の仕事をしたい会社を登録するには、というので紹介したことはある」と答えたのを見て、「この先をしゃべってもいいというメッセージ」と受け止めたからだと。太田氏は守屋氏と同期である。
確認を求めた各社に額賀氏は会見で「まったくありません」と全面否定。「太田氏以外はすべて否定している。新聞はもう少ししっかりと裏付けをとって書いてほしい」とまでいった。
「太田氏以外」というのは、当時太田氏の部下で、現東北防衛局長の酒井隆氏を指すらしく、酒井氏は「記憶にない」といっている。太田氏の根拠が、パソコンに記した日記というのも、ちょっと弱い点だが、守屋証言と合わせると、どっちが正しい?というような状況になっているわけだ。
小倉智昭は「入札に参加させてくれという口利きでしょう。防衛省に口座を持ちたい会社はいくらでもある。入札はできたの?」
笠井信輔は「入札はできたが、落札はしてない。そんなことも、額賀さんが、それで決まったわけではないというところかも」という。
この話、実はちょっと微妙で、太田氏は退官後の2001年の参院選に、民主党から比例区から立候補して落選している人。鳩山幹事長も「(口利きは)ありうる話だが、調査しないとわかりません」とだけ。デジタル情報では昨年の「ライブドア・メール騒動」もあってか、やや慎重なものいいだ。
それかあらぬか、きょうの朝日新聞は朝刊では額賀氏の会見には一切触れず。かわりに「天声人語」が、防衛商社からの220万円のパーティー券問題などをついていた。これについては、小倉がきのう、「なんで220万円返したの?」とかみついていたっけ。