巨大ボードに見出しが並ぶ「8時またぎ」のコーナー。本日、トップのネタは「“わいせつ”学園総長(71歳) 逮捕で分かった“痴態”」である。
本拠地の福岡をはじめ、全国で幼稚園から大学まで多数、運営する都築総合学園の総長が女性職員に対する強制わいせつ容疑で逮捕された。そこで、番組が取材してみると、この学園内では総長のセクハラが日常茶飯事だったらしいというのだ。
司会のみのもんたが、ボードに挙がった"痴態"を読み上げていく。耳が引きつけられたのは「女性職員の採用に水着審査!」である。デカデカと書かれた字の上に「学生の話では…」と小さく断り書きがしてある。そこは、みのが読まないので、画面をよく見ないと気付かない。
続いてはじまった取材VTR。元職員が「食事を運んだ女性職員が胸を触られた」などと話すが、肝心の水着審査は出てこない。証言者の学生は「10年前、水着審査を行っていた(と聞いた)」そうである。
あくまでも(今のところ)噂話レベル。それを「水着審査!」と、見出しとみのの朗読でブチ上げる。
あの不二家問題報道以降、ずいぶん抑えられた感じだが、それでも「8時またぎ」全般に、誤解を招きかねない作りがちらほら残っているようにも思える。
大マスコミたるもの、「大いなる力には大いなる責任が伴う」のであり、誤謬は許されず、無知蒙昧な視聴者を啓蒙し、社会の木鐸であるべし――てな、時代がかった(BPO的)立場で見れば、ちょっと気になるところではある。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト