「へぇ~へぇ~へぇ~」
あの、トリビアから日本のクイズ番組は、ずいぶんと変わった気がする。
最近のクイズ番組の傾向を見ると、雑学系が多くなったと思いませんか?
『雑学王』は驚異的な視聴率を叩きだした。先を越せと、インテリ芸能人が凌ぎを削る番組が、各局で続々と作られている。
しかし、その対極にある番組がある。雑学番組の生みの局が送りだす、『ヘキサゴン』。
『ヘキサゴン』は、放送当初は難しいルールだったものを、大幅テコ入れで簡単なクイズに変え、しかも回答者が珍回答を言う図式に変更。これでオバカタレントなるポストまで作り上げてしまった。このカラクリ、難しい問題を出し続けると、視聴者がクイズのレベルについていけない。視聴率が落ち続けた結果のテコ入れが、バカな回答者を見て視聴者が喜ぶ方程式。「あの人、あんなカンタンな問題も解けないのね、私にもわかったのに!」と視聴者に優越感を与えるところからスタートし、次第に想像を絶する答えを言う回答者に視聴者の興味は移っていくようになり、番組は大化けした。ナルホド、「へぇ~へぇ~」。 さて、いささか話がずれた。雑学系クイズ番組に話を戻そう。
そもそも、『トリビアの泉』のルーツは、雑学本を数多く出版していた唐沢俊一さんだ。
彼の膨大な本のコレクションから、番組は産声を上げた。さて、当の本人、唐沢俊一さんはと言うと、最近ちょっとしたことで悩んでいるという。
それは、大手広告代理店などからかかってくる電話。代理店からの電話に仕事のオファーかとウキウキして電話に出てみると、相手はこんなことを言ってくるんだとか。
「あの~、唐沢さん、この雑学って著作権フリーっすよね。印税発生しないですよね」
この話を聞いて、私思わず、「へぇ~、へぇ~、へぇ~」って、心の中で右手押しました。
代理店にとっては、著作権が発生するか否かは大問題。そうなんですって、この業界。
確かに、雑学を「発見」したのは唐沢さん。しかし、唐沢さんはあくまでも「発見者」であって、雑学は事実を伝えているだけだ。だからこそ、雑学は人類共通の知識であるワケで、そこがネックらしい。「発見した時、著作権とっときゃなぁ。そうしたら、今スゴイことになってんだろうと思いますよ。でも、それデキナイんですよね」と、魅力的な低いお声で語る唐沢さん。しかし、唐沢さんは、雑学を「発見」しその真偽を検証する作業に、日夜邁進されている。唐沢さん曰く、雑学の魅力は「あいまいなモノほど魅力がある」とのこと。
それを調べていくと、今まで知らなかった事実が目の前にヒョッコリ顔を出す。あの知識欲を満たす瞬間は、格別なものだろうと思う。
只今、某局の年末特番で雑学系番組を担当している私。唐沢さんの功績で、世の中にそれほど、あっと驚く雑学が少なくなったようにも思う。しかし、調べたらキット世の中にはまだまだ知られざる雑学が眠っているはず。今は、その金脈を掘り当てる日々。
あ~、すんごい雑学、出てこないかなぁ。ここのところ、ボツネタ続いてるもんですから。