小沢続投で一応ケリがついた大連立ドラマの余震が続く。スパモニではゲストの政治評論家・三宅久之が吠えた。
「メディアの人間がフィクサーになってどこが悪い。国会議員がみんなボヤーっとしているからですよ」
歯切れよし、しかしその論法は昔でいえば講談、いまの時代でいえば政治をテーマにした青年マンガ。暗躍する年期の入った古老たちは元気だ。
毎日新聞の政治記者出身で、この騒動の影の司令塔である読売新聞のドン・渡辺恒雄とは50年来の盟友だ。
「最初は政界再編と呼んでいました。安倍政権下の6月ですよ。いずれは安倍から福田になると読んで根回しを始めたわけですよ」
長い間、永田町で政界に密着している政治記者の権勢は、陣笠議員のそれよりも強い。
与党のキーパーソン議員の部下ともいえる知恵袋になっているので、議員バッジをつけていないのに平気で新人議員をどなりつけたりする。
政治が行き詰まるとベテラン記者は相談に乗り、密使までやってのける。平議員よりはエライのだ。まして伝説の大記者・ナベツネ。
10月4日、三宅氏が盟友渡辺氏からの手紙を受け取った。――江戸城無血開城を成し遂げた西郷隆盛と勝海舟の如き―――与野党の不毛の対立を解決するため、大連立構想に同意を呼びかける決起文のようなものだ。
政治記者仲間が集結すると、一定の力となることを今度の騒動で実証された。
ところが。
「小沢さんは裸の王様でしたね」と振り返る三宅氏。
「大連立で民主党内をおさえてみせます・・200%300%大丈夫といって党に持ち帰ったら、役員にひとりも賛同者がいなかった」
大連立は意外なというか、小沢代表の読み違いというか、ここでガラガラと大崩壊した。仕掛け人・ヨミウリのドンの構想は霧散した。
テーマは<仕掛けられた情報戦!?メディアと政治介入>
「三宅さんは政治家にならないんですか」(赤江珠緒)
これにお喋りは止まらない。80歳だし、アドバイス出来る立場だ。メディアはタテマエでは公正無私といっているけどみんな好き勝手に報道している・・・
「政治家にならなくても、これで日本がいいのかという危機感を持った人が政治家のほかにもいるってことですよ。今度の動きで彼(ナベツネ)を責めるのだったら、何も危機感を持たない政治家が責められるべきです」と三宅久之。
「画策するのは国民への裏切りではないか」大谷昭宏の反論には「宝塚みたいだ」とはねつけた。