「オレの言うこときかない」とブチ切れ? それとも「小沢シナリオ」なのか

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   辞意を表明していた民主党の小沢一郎代表が、結局続投することになった。福田首相との会談で出た「大連立」を役員会に拒否されて、「わたしへの不信任だ」、民主党についても「政権担当能力がない」「選挙に勝てない」とまでいっていた人がなぜ?

続投なんて冗談じゃない、という人いるはず

   きのう(6日)の小沢氏はあわただしかった。午後2時から渡部恒三、羽田孜、石井一の同期3氏がまず説得し、午後8時に鳩山由紀夫、菅直人両氏の慰留を受け入れた。だが、その前に実は、前代表の前原誠司氏と会っていた。これを「踏み絵?」と報じた新聞もあった。

   つまりこういうことだ。前原氏は、インド洋での給油でも、大連立でも、小沢氏とは正反対の主張。これをクリアするのが、事実上続投の条件だったということ。東京新聞は「党を一枚岩にするための小沢のシナリオ?」とまで書いた。さて、これで本当に一枚岩になったのだろうか。

   田勢康弘早大教授は「もともと『執行部に進退を委ねる』といっていた。続投を模索していたともとれる。過去のいきさつから、小沢・前原は口もきかないような関係だった。その2人が会ったということは、関係を修復したんだと思う」

   小倉智昭は「福田さんとの話では、閣僚の配分まで出たという。2大政党を言っていた人が何だ。しかも続投なんて冗談じゃないよという人は絶対にいるはず」と、なお小沢氏への不信感をいう。

   田勢は「他のだれを持ってきても次の選挙は戦えない。民主党の分裂も嫌だと。心の底から小沢さんでいいという人は、半分もいない。見落としちゃいけないのは、今回の党首会談は中選挙区に戻したいという話まで含んでいた。ところが執行部がこれをわかってなかった。それですねちゃった」と。

   デーブ・スペクターが「小沢さんは、民主党の思想を評価していない」といった。が、田勢の解説は説得力があった。

   「小沢さんの肩もつわけじゃないが、全く国会が動いてないでしょう。これをどうするか。それと小沢さんがひとつ正しいのは、次の選挙で民主党勝てないんです。候補者も決まってない。その危機感が幹部にはない。文化のずれです。民主党はみな平等。が、小沢さんは自民党の出ですから、なんで党首のオレのいうことをきかないんだと」

   「小沢のシナリオ」という見方も結局ここからくるわけだ。だが、今回の騒動で、街の声はきびしい。「民主党は人材がいない。頼りない」というのさえあった。党としても、安堵感は出たが、国民の不信かをどう払拭するかは、難題だ。

   レポートの長谷川豊が「民主党は今回、メディア戦略で自民党に負けたといっている。これからテレビに出てくるかも」といったが、田勢は「出るとマイナスかもしれない。党首会談には仲介者もいたから、自民には内容を知っている人が沢山いた。ところが、民主は小沢さん1人だった。党首が何を考えてるか、だれも知らないんだから」

   その小沢氏は、きょう夕方記者会見して説明することになっている。どんな内容になるのか、注目だ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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