策略めぐらす内田有紀に「恩知らず!」と叫んでしまう(医龍2)

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   あの朝田龍太郎(坂口憲二)が帰ってきた! 去年の春放送された「医龍1」がすごく良かったので、楽しみにしてた。朝田はあいかわらずカッコいいし、悪役、野口教授(岸部一徳)は一段と憎たらしくなってる。研修医だった伊集院(小池徹平)はめでたく外科医になっていて、ちょっと成長した感じ。金髪麻酔医の荒瀬(阿部サダヲ)のワケわからない存在感もなつかしい。

   テーマはズバリ「Life or Money? 命は金で買えるのか」だ。前作はコミックのドラマ化だったけど、今度の「2」はオリジナル。脚本は前作と同じ林宏司。「ハゲタカ」を書いた人だ。硬派なのね。余計な恋愛沙汰が絡まないのも、すっきりしていていい。

   初回はなんと2時間18分の長丁場。このドラマは手術が見せ場なんだけど、初回からイヤというほど見せてくれた。まずは、ひき逃げにあい、瀕死の重傷を負った片岡一美(内田有紀)を手術。一美は危ういところを朝田の腕で命をとりとめる。

   ところが、この一美が、実は医療ファンドビジネスのやり手で、明真大学病院を金持ち専門の有名病院にして儲けようと乗り込んできた女だったのだ。野口と結託して策略をめぐらす「デキる美人」ぶりに、思わず「恩知らず!」と叫んでしまうカモノなのだった。

   朝田チームは、野口らが売名のためにセットした公開手術をすることに。一方、明真大学病院の下請けみたいなボロ病院、北洋病院では、拡張型心筋症(こんな病名も覚えちゃったゼ!)の妊婦の手術が待っている。7ヵ月の胎児も救わなければならないという超むずかしい手術だ。

   手術のシーンは実にリアル。切り開かれた心臓が動いているところがアップで映される。血だらけの朝田の手がその心筋を探ってゆく。帝王切開で取り出された小さな赤ちゃんも、生きているみたいだ。さらに、この赤ちゃんにまで先天性の心疾患があり、それも即手術となる。これでもか!

   毎回、手術の前に心臓の図解が出て、どういう病気でどこをどう手術するのか説明が入るのがいい。手術シーンも含めて、しっかりした医療監修がされていることがわかる。

   まったく笑顔を見せない天才外科医、朝田は一匹オオカミかというと、そんなことはない。朝田が最も重視するのは「チーム」なのだ。それが、チーム・ドラゴン! 

   「目の前の命を救う」という文句のつけようのない明確な目的のために、各メンバーがそれぞれの能力をめいっぱい発揮してチームで仕事をする。これが人間にとって、最も「生きている実感」を感じる状態なのではないか、とふと思う。

   ※医龍2(フジテレビ系・木曜22時)

文   カモノ・ハシ
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