東京・あきる野市の自宅で警視庁武蔵野署の40歳の警部補と65歳のその母親の2人の死体が発見された。
警部補は腹部を刃物で数か所刺されていた。母親は背中や腹を数か所刺されていた。新聞報道によれば「同庁捜査1課は無理心中の疑いが強いと見ている」・・・
朝ズバッ!にゲスト出演した田宮榮一・元警視庁捜査一課長は“元デカのカン”として「他殺の線は否定できない」と推理した。そればかりか、スパイ事件がからんでいる――。
「無理心中といえば、ロマンチックなお芝居みたいな言葉ですがこれは法律にはないんです」
確かに一方が無理に殺した殺人者で、一方は殺された被害者。それから加害者が自殺したから無理心中。「単なる殺人と自殺です」(田宮)
このケースは独身の警部補は両親と3人家族で、父親は数年前から認知症で入院中だった、という背景がある。
「どうも納得がいかない。他殺の可能性も考えられます」という田宮・元警視庁捜査一課長。
「すると、心中じゃない?」とみのもんた。
“元デカのカン”をまとめるとこうなる。
*父親が認知症だというが、遺書もないし覚悟の上だったのか、動機がはっきりしていない。
*報道によれば警部補は着衣の上から刃物で刺している。めくるとか、まくるとかしていない。失血死ということだが、警察官だったら急所ぐらいは知っているはずだ。昔の切腹ではないが、腹部は致命傷にはならないはずだ。しかもためらい傷がない。
*自宅の台所には夕食の惣菜が用意されていた。またテレビが壊れていた。おなかを刺された母親がもだえて暴れたからではないか。
・・だから他殺説もありうる。
<警部補は主に公安事件の捜査にあたっていた>みのが示したフリップにはこうあった。
「公安という職務は思想犯や、外国人の犯罪、つまりスパイ事件などを担当します。ひょっとしたら、こういうことも視野においておくことですね」(田宮)
国際スパイが暗躍する小説のような“元デカのカン”だった。