ワイドショーのコメンテイターは、よく手を使う。
説得力が増すとかいう説もあるけど、単純な話、ただ腹話術的に口が動いてるよりは、テレビ的に映えるだろう。ライツ、カメラ、アクション。
通常、彼らの手振りはとくに意識もせず見ているのだけど、鳥越俊太郎が喋っているとそうは行かない。どうも手が気になるのだ。
今日もツーショットで気を抜いている様子が見られた鳥越だが、志布志事件のコメントでは、警察幹部の実名を挙げながら、「一握りの幹部が暴走して、でっち上げた事件」という(これまでに何度か聞いた)真相を、熱く語っていた。
その顔は――日焼けしているのか、けっこう黒い。ところが、手振りで手の平が映ると、それは、まるで氷水につけた後のような、血の気のない白さなのだ。なにか、禍禍(まがまが)しさまで感じてしまうような。
せっかく顔を黒くしたのだったら、手の平もなんとかしてほしい。ただの取り越し苦労なのかもしれないが、見ていて辛くなってくる。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト