前夜のWBCフライ級タイトルマッチ。日本人選手の最年長防衛記録を果たした内藤大助が右目の上にバンソウコウを貼って妻子とともに生出演。試合を放映したのが朝ズバッ!と同じTBSだから「独占」となる。
奥さんの内助の功に感謝する王者に、思わずスタジオからは拍手が出た。好感の持てる「一夜明け」のインタビューとなった。
TBSとしては亀田3兄弟の人気に便乗して視聴率を稼ぎたい・・・つまりホンネは亀田大毅に勝ってもらいたい一戦だった。
相手を「ゴキブリ」と呼び、プロレスラー顔負けの「おれのパンチは宇宙一」「負けたら切腹」などの発言でさらにショーアップした一戦だった。ボクシングの力量は別にして、亀田の前評判は完全にヒール(悪役)だった。
ところがぎっちょん。日本人最年少の世界王座獲得という“ごちそう”は吹っ飛んだ。
「国民に期待に応えた」地味ィな苦労人は、街でも会場でもベビーフェース(善玉)だった。判官ひいきだった。
意外な展開にTBSも「ま、いいか」といったところか。試合後、亀田に浴びせた「切腹しろ」の罵声も流した。
さらに初防衛にあやかり、「は・つ・ぼ・う・え・い」のコトバ順にチャンピオンの人となりを紹介しつつ、スタジオの内藤にインタビューした。
<は>=始めたきっかけは、いじめに仕返ししよう、と。でも今では、いじめた連中が応援してくれてます。
<つ>=つらい資金繰り。夫婦込みで月収12万円で生活費でつらかったです。ぼくは1日2食、カミさんは3食でしたけど(笑い)。
<ぼ>=ボクシングスタイルは18歳と33歳では違うかもしれない。でも普段の練習は毎日、同じことの繰り返しですね。
<う>=うまく投げられちゃった。(出血していた)目をぐりぐりやるし、失格の可能性もあったと思う。
<え>=えらいこっちゃ(笑い)。
<い>=いつも支えてくれた・・・この奥さんでなければここまで来られなかった。
「ひとつ年上の奥さんは、本当に金のわらじでしたね」と感動するみのもんた。ここでスタジオから大拍手。勝者は愛妻家であくまでも謙虚だった。