「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン」
吉田美和の歌声響く ドリカムの名曲を映画化

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   「きっと何年たっても こうしてかわらぬ思いを
   持っていられるのも あなたとだから
   ずっと心に描く 未来予想図は
   ほら 思ったとおりに かなえられてく」

(C)2007映画「未来予想図」製作委員会
(C)2007映画「未来予想図」製作委員会

   ドリカムの吉田美和が歌う主題曲が流れる。この歌をベースにシナリオは書かれた。大学時代からの恋人同士がふとしたことから別れるが、互いに恋焦がれていた想いが実現して何年経っても再会できると、映画は歌詞を追う。公開を直前にしての吉田美和のご主人の急死はショックな出来事だ。しかし想い続けてあの世で再会できるだろう。

   大学時代の映画制作。結婚式シーンで、新婦さやか(松下奈緒)の相手役の新郎を急遽やらされた慶太(竹財輝之助)だったが、二人はたちまち恋に落ちる。建築家志望の慶太はさやかと共に卒業旅行で、憧れのガウディの建造物を見にスペインのバルセロナへ飛ぶ。サグラダ・ファミリアの作業所では天使の像を彫る中島(加藤雅也)に会う。二人は像が完成する頃にまた来たいと思いつつスペインを後にする。

   卒業して建築事務所に勤めた慶太は、さやかを励まし希望の雑誌編集者の職に就かせる。しかし慶太にはスペイン赴任の話が持ち上がる。さやかはスペイン行きを渋る慶太を自由にするため、嫌いになったと別れを告げる。それから5年、記者としての腕も上がった30歳目前のさやか。

   観客がスペインに行った慶太がどうなったかと思う間もなく、さやかの「恋の叶う花火」職人(原田泰造)の取材に焦点が絞られる。その記事が完成してバルセロナに行くさやか。果たして慶太に会って「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」を届けることが出来るのか?

   バルセロナロケを敢行し、慶太の案内するアントニオ・ガウディ建造物の観光が嬉しい。聖教会サグラダ・ファミリアを始め、カサ・ミラやカサ・バトリュなどのアパート、特にグエル公園の石の階段や、ファンタジー溢れる場所で二人が楽しむ。

   松下奈緒は12月に公開される東映の「XX(エクスクロス)」に主演しているが、怪奇劇は様になっていない。CMやTVで見ていた松下。本作の主人公で初めて演技を評価できる。竹財輝之助は初めてだが、好感の持てるさわやかな顔をした青年だ。ベテランの松坂慶子、加藤雅也、石黒賢が新人俳優たちを引き締めるように好演している。助監督歴が長い蝶野博の初監督作。まだまだ修業が必要です。

恵介
★★★☆☆
未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン
2007年日本映画、松竹配給、1時間55分、2007年10月13日公開
監督:蝶野博
出演:松下奈緒 / 竹財輝之助 / 原田泰造
公式サイト:http://www.miraiyosouzu.jp/
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