「オレは一人でも行きますよ」長井さんが遺した「緊迫映像」

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   ミャンマー(ビルマ)のヤンゴン市で反政府デモの取材中に銃撃を受けてなくなった長井健司さん(50)が、死亡する前日に自ら撮影した取材映像が明らかになった。

危機感が伝わっていなかった?

   隣国タイから、9月25日ミャンマー入りした長井さんが、27日に銃殺されるまでの間、緊迫したヤンゴン市内の状況を撮影した映像の一部だ。死亡する前日の26日に撮影したものらしい。

   最初は、普段と変わらないヤンゴン市内の穏やかな繁華街の風景が映し出されていたが、治安部隊が近くを通っているというある寺院に入ると、緊迫した様相に一変した。

   現地ガイドから「軍隊が下を通る。見てはいけない」と注意を促された長井さんはカメラをガイドブックの下に隠す。そこへ長井さんの撮影に気づいた僧侶が近づき「ここで起こっていることを外に伝えてほしい」と話しかけてきた。

   このあと現地ガイドが「困ったことになりました。警察が発砲を始めました。あなたは危険です」と強い調子で忠告するのだが、長井さんは「大丈夫。イラクやアフガンでも大丈夫だったのだから」。こうしたやり取りのあと長井さんが一言「オレは一人でも行きますよ」。映像はこの直後、細い路地に入って終わっている。

   小倉智昭キャスターは「おそらくこの路地で長井さんはカメラを取り換えたのでしょう。

   このあとの取材は、兵士が持ち去ったビデオカメラで撮影したのではないか」と推測した。

   番組はさらに、一人の兵士が背後から長井さんに近付き、撮影取材中の長井さんを後ろから銃撃、仰向きにのけぞる長井さんの左側を平然と通り過ぎる様子を鮮明にとらえた映像も流した。

   ミャンマーで長年にわたり取材を続けているジャーナリストの山本宗補氏は、電話取材に対して「国内情報を海外に出すことを徹底的に阻止しようと、前日からカメラを没収をしていた。治安部隊は自国民の殺害をずっとやってきたが、あのように後ろから長井さんが撃たれる姿を見ると、撃ち方が手馴れていると感じますね」。

   これに小倉が「長井さんに危機感が伝わっていなかった、ということですかね」。平和な日本で眺めていると、長井さんの行動は「軽挙」と見る人がいるかもしれない。しかし、長井さんが危機的状況を目撃して、圧倒的な力に抗してでも、正面から見据えようという気迫を持っていたことだけは疑問を挟む余地はない。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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