民間の会社ならズル休みをしても、決してニュースにはならない。状況次第だが、そのままクビになる可能性がある。ところが役所は違うようだ。ニュースキャスター・柴田秀一は「やり方がキタナイ。サイテー」とこき下ろした。
京都市は職員42人を処分した。親族が死亡した際に認められる有給の服喪休暇(いわゆる忌引き)を不正に取得していた――つまりズル休みの口実に、架空のおじさん、おばさんに死んでもらっていた。
43歳の男性職員はこの5年間で「おじさんが6人」「おばさんが4人」亡くなったとして役所をさぼっている。親戚をこんなに次々と「殺した」この職員は停職6か月の懲戒処分。
クビにはならず、約100万円の給与の返還請求をされる。つまりネコババした分を返してもらうことで、ペナルティではない。
そもそもは今年7月に女性職員の不正な休暇が発覚した。これをきっかけにして16000人の職員の「休みっぷり」を調査したところ、出るわ出るわで結局42人の「バチあたり」が露出した。
叩けばホコリだらけ。お役所の実態のほんの一部分だろう。
チャンピオンは消防署勤務の49歳の女性職員だ。5年間で12回のズル休み。民間と違って、お役所ではたっぷりの休暇をきっちりと取る。
ウソでも何でも、みんなで有給休みを取れば怖くない――こんな体質が横行しているといえる。
スタジオの大きな一覧表のパネルを示しながら「情けないの一語。公僕たるものこれでいいのか!」とみのもんた。
「はっきりいって横領だ、詐欺だ、給与泥棒だといっていいんじゃないですか」
岸井成格は付け加えた。「上司を含めてみんな感覚がマヒしている。ある種の既得権になっている」――これは京都市役所が調査して発覚したほんのひとつの事例である。ニホン列島は公務員の服喪休暇ドロボー列島。