ヤンゴンでのデモ取材中に撃たれて死んだフリージャーナリスト長井健司さん(50)さんの所持品がきのう(9月30日)、現地警察から返却された。しかし、その中に倒れたとき手にしていたビデオカメラはなかった。ミャンマー側は「これ以外に遺留品はない」という。
撃たれた直後、路上に倒れている長井さんが右手にビデオカメラをもっていたことは、ロイターが配信した3枚の写真ではっきりと確認されている。しかも、その後公表されたビデオ映像で、長井さんがデモを撮影中に、至近距離から兵士に発砲されて吹っ飛ばされる衝撃的な状況まで明らかになった。
当然遺品の中に、そのカメラがなくてはおかしいのだが、山岡三子の解説では、返却されたのは黒いショルダーバッグ、パスポート、携帯電話、メモ帳などで、バッグの中に予備のカメラが1台とメーカーの違うバッテリーがあった。このカメラにはデモの様子は写っていなかった、という。つまり、倒れたとき手にしていたカメラは、消えたままということ。
「ビデオカメラが出てこないというのは、どう考えればいいんですか」と加藤浩次。
勝谷誠彦は「都合の悪い映像が映っているということでしょう。後から撃たれたからその瞬間は写っていないかも知れないが、その前の例えば指揮官の顔でも写っていれば、日本政府は明確に処罰を要求できるから、軍政当局は隠したい」と。
さらに「日本政府にしても、大使召還マターですよ。日本の国民も世界中も注目している。ことがはっきりするまでの間は、こうした番組でも、ニュースのトップに据えて闘わないといけない」と、いつもながら勇ましい。
テリー伊藤も「外務大臣がでかけていって、あのカメラ、取り返してこなくちゃだめですよ」
加藤も「何も写ってないのに撃たれたんなら、ミャンマーが悪いことにもなる」
勝谷はさらに「なめられてる。映像が流れることは折り込みずみで、外国人記者が来たら殺すぞというサイン。国連で外務大臣は、否定せずにすぐ謝ってるが、ブツは返さない。完全になめられてるんです」と脱線気味。ミャンマーにそこまでの思考があったかどうか。
テリーは最後に「(長井さんとは)3年間一緒に仕事をしたから、ものすごく強い思いがある」と、ちょっとしんみり。
日本政府は珍しくアクションが早かった。外務省の藪中審議官を派遣して、強硬に抗議する構えだが、町村官房長官も会見で「経済援助の停止」に言及した。これも福田采配か。いまいちばん困っているのは、軍事政権だろう。ひょっとすると、何かが動くかも知れない。