「命あってのものだね」と正規社員は行きたがらず、会社も行かせたくない国際紛争地。その紛争地、軍事政権下のミャンマー(ビルマ)でAPF通信社の契約社員、長井健司さん(50)が銃で撃たれなくなった。
今朝の『スパモニ』トップニュースは、紛争地取材に活躍した長井さんの生きざまにスポットを当てた。
長井さんが亡くなった9月27日夜のヤンゴン市内に様子について、電話取材に出た同市に住む日本人は「最初、治安当局は空に向けて銃を撃っていると思っていた。ところが、デモの参加者が一斉に逃げ始めたので、水平撃ちを始めたなと気づいた」。この時、長井さんは撃たれ、弾が心臓を貫通。即死状態だったとみられている。
死亡の知らせを聞いたAPF通信社の山路徹代表は、長井さんの人となりを「彼は優しい人だった。誰も行かないような紛争地にも誰かが行かないと、と怒りを持って現地に向かう人だった」。
また、イスラエルで一緒に取材した経験のある国際ジャーナリスト、浅井久仁臣氏も「民衆が圧迫を受けているところへ進んで入っていく人で、目線が本当に優しい人だった」。
命を賭したフリーのジャーナリストに、類型的なありきたりのコメントをいっても空虚さが残るだけだ。
元読売新聞社会部記者の大谷昭宏に代表してもらおう。「私たちがこうしてスタジオで報道できるのも、こうした人たちが撮った映像があるから。私たちは、その彼らが紛争の現場に入る時は"気を付けて"という以外に言いようがないのですよ」。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト