時津風部屋での若い力士の急死が、一種のリンチの果てらしいことが明らかになってきた。昨日(9月27日)、亡くなった時太山(本名斎藤俊17歳)の父、正人さん(50)が記者会見して、涙ながらにその顛末を語った。
亡くなる前の日、息子は電話で「いい子になるから迎えにきて」と訴えた。が、父は「もうちょっとがんばれ」と言ってしまった。「信じてやれなかったのが一番くやしい」と。
さらに「うまく言えない。言葉にならない。グチをいっても帰ってくるわけじゃない」「あなたならどう思いますか。自分の子どもを殺されたら」とも。
死亡当日の部屋とのやりとりも明らかになった。
まずおかみさんから電話で、「稽古中に倒れた。いま病院です」。追っかけて時津風親方(57)から「申しわけありません。死にました。急性心不全でした」と、そして「火葬にしてよこす」というので、正人さんは断った。
そして、荷物のように送られてきた全身傷だらけの無残な遺体を前に、「なんで?としか言いようがなかった」。翌日親方が訪ねてきたが「通常の稽古です」の一点張りで、冷静だったという。
そして、行政解剖を経て警察が動いて、わかってきたことは――
6月25日夕食時に、親方がビール瓶で頭をなぐり、兄弟子数人が殴るけるの暴行を加え、うちの1人が金属バットで殴っていた。
翌6日、早朝稽古に起きて来ず(起きられなかった?)。午前11時すぎ、引きずり出して、はげしいぶつかり稽古を約30分。時太山はぶっ倒れ意識不明になったが、通路に放置された。
1時間以上経った午後零時50分ころ、119番通報。救急隊員が心肺停止を確認。病院で死亡を確認。
みのもんたは「救急から警察に連絡がいって、警察が遺体の状況を見ておかしいと思わなかったのか。これがわからない」といぶかったが、解説の中澤潔は「それより、死亡そのものが一日伏せられているんですね。それで私は何かあるなと思った」という。「場所前だから、客の入りを考えたのかもしれない」
「時津風親方はどんな人ですか」(浅野史郎)
「温厚な方です」(中澤)
「温厚な方がこれでは、どうなっちゃうんです?」(浅野史郎)
「この期に及んでも、ファンとか世間への謝罪より、内部のメンツにこだわってるような気がする」(中澤)
「新弟子も少ないでしょう」(みの)
「ますます子どもを預けようという親はいなくなるでしょう」(中澤)
で、肝心の日本相撲協会の動きは相変わらず鈍い。「どうしたらいいでしょう?」とみの。
中澤は「相撲協会は、功なり名遂げた年寄りの集まり。外部の人は入れません。自分たちで反省する力をもち、世間に耳を傾けないと」というのだが、簡単にできるのなら、とっくに変わっているのでは?