「私は個人的にもよく存じ上げてるんですがね」。頭が大きいだけじゃなく、顔も広い江田けんじ・衆院議員が福田(ジュニア)首相の人柄をトクトクと語り出す。
「シャイでシニカルだけど、『やっぱりいい人ね』というところがあるんです」
「なんとなく、わかります」と司会の加藤浩次。調子に乗った江田はさらに福田論を展開する。「顔が忍者ハットリくんに似てるでしょう。官房長官時代もなんとなく…」
途中で、加藤が割ってはいる。「顔がハットリくんですか!? ボクはピーナツに見えるんですけどね」と反論。テリー伊藤も「口元は猿の惑星に似てる」と笑いを誘う。
「人柄がにじみ出ていて、可愛いという女性の声もある」と江田は構わず続け、なぜか「ねえ、阿部さん」と司会の阿部哲子アナに振る。「癒されるような雰囲気が…」とやむを得ず感をにじみ出しながら相槌。
なお、このようなやりとりをわざわざ記事にする必要があるのか、疑問を持たれる向きもあろう。じつは筆者とて例外ではない。
ただ、福田がらみで費やした約40分間のなかで、この場面がもっとも番組独自のオリジナリティに溢れ、最大のハイライトではあったのだ、たぶん。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト