いい映画は観客を呼ぶ。これが鉄則。映画評論を1本も書かなくても、映画評論家と名乗るおしゃべりな映画紹介屋のゴタクなんかとは関係がない。
すでにテレビでも放映されたが、荻上直子監督の「かもめ食堂」は地味な作品ながらヒットした。
初公開は昨年年3月で東京、横浜の2館だけだった。それがどうしたのだろう。以降今年の4月までに全国188館で上映された。多くの人が「この作品はいい」と評価をして、これが口コミで広がって意外な快ヒットにつながった。
いうまでもないが、映画の面白さは観客が決める。配給会社に「宣伝よろしく」とヨイショを頼まれた映画紹介屋のホザキと口コミは関係がない。むしろ敵対関係に近い。
「めがね」は「かもめ食堂」のキャストとスタッフが再び集結して製作された。年内の上映は180館!「かもめ食堂」の支持層に支えられた数字だろう。
主演は小林聡美をはじめ、もたいまさこ・・・鹿児島・与論島のゆったりとした海辺を背景に、のどかな時間と、そこで出会う人々との触れ合い。
とくダネ!の紹介担当はおすぎ。
「わたしウチのオフィスと一緒に見たんですけど、大きなイビキをかいて寝てんのよ。そう、この映画は眠れる映画なんです」
スタジオは漫談調のおしゃべりに笑いがいっぱい。この作品のさぶタイトルが<たそがれ時の物語>だというのに。
「こんな映画はあってもいいと思うけど、私には全然理解できない。癒し系といわれても私はそんな癒しはいらない。"かもめ食堂"は食べもののレシピーがあったので楽しい面もあったけど、何よ、今回のは。鼻についたわよ。だってよ、朝起きたらそこにババァが座っていてさ、いきなりオハヨーなーんて、おっかしいんじゃないの!」
――これが映画評論家としての見解だろうか。映画をテーマにしたヒステリックな漫談ではないか。
「これで癒される人もいるだろうけど・・・」(小倉)
「これだけ支持されていることは、疲れている人が多いんだなぁと思いました」(笠井信輔アナ)
スタジオのとりなしコメントにも「みなさん、やさしいのね」とおすぎ。これにも不満の様子だった。