「アーサーとミニモイの不思議な国」
マドンナ、デ・ニーロ、D・ボウイ「声優」は豪華だが・・・

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   アニメと実写が融合したフランス映画「アーサーとミニモイの不思議な国」。「レオン」や「タクシー」シリーズでフランスを代表するリュック・ベッソンが監督で、彼の子供向けの本を原作に脚本を書いている。

(c) 2006 EUROPACORP - AVALANCHE PRODUCTIONS - APIPOULAI PROD
(c) 2006 EUROPACORP - AVALANCHE PRODUCTIONS - APIPOULAI PROD

   ストーリーはいろんな物語からの寄せ集めだ。タイトルから先ず「キング・アーサー」の伝説だし、地底にさ迷うのは「オズの魔法使い」、小さくなる人間はリック・モラニス主演の「ミクロキッズ」だ。でも子供たちはそんな昔の話や映画は知らないから良いのだろう。

   実写部分では、ウッディ・アレンの映画の常連ミア・ファーローが演ずるお婆ちゃんと「チャーリーとチョコレート工場」のフレディ・ハイモア扮する孫が活躍する。ダコタ・ファニングやアビゲイル・ブレスリンなどの女の子役が注目される中で、男の子のフレディ君は演技が上手く、あどけなく可愛い顔で女の子たちに対抗している

   物語の舞台は、アメリカのコネチカット。アーサーは農家でお婆ちゃんと暮している。両親は遠くの町で薄給の生活を送っていてたまにしか会いに来ないが、お婆ちゃんとの生活は幸せだ。ところが宅地開発業者が現れ、48時間のうちに立ち退けと迫る。お婆ちゃんの土地が借金のかたになっているのだという。買い戻すにはお金の工面が必要だ。

   お婆ちゃんは、4年前に失踪したお爺ちゃんがアフリカから持ち帰ったルビーが裏庭に埋めてある筈だと言うが、宝物にたどりつくためには、地底にあるミクロの7つの王国に行かなければならないのだ。アーサーはアフリカの部族の人たちの力を借りて小さくなり、地底の国へと入り込む。いよいよアーサーの冒険が始まる。

   祖母と孫の実写の農家の生活が、途中からアニメのミニモイ族の世界に転じる。流行りのいつもの幻想ファンタジーだ。だがアニメとなると、どうしてもピクサーやドリーム・ワークスと比較してしまう。動きといい、可愛らしさといい、3Dの技術といい、やはり足元にも及ばない。マドンナ、デヴィッド・ボウイ、スヌープ・ドッグ、ロバート・デ・ニーロなど、吹きかえのキャストは豪華だが、見終わって、今一つ物足りなさを感じる。それは、アメリカ映画のアニメ、イギリス映画のファンタジーに我々観客がどっぷり漬かって満足しているからだろうか。

恵介
★★★☆☆
アーサーとミニモイの不思議な国(ARTHUR ET LES MINIMOYS)
2007年フランス映画、アスミック・エース配給、1時間44分、2007年9月22日公開
監督:リュック・ベッソン
出演:フレディ・ハイモア / ミア・ファロー
声の出演:マドンナ / デヴィッド・ボウイ / ロバート・デ・ニーロ
公式サイト:http://www.arthur-movie.jp/top.html
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