「壁男」
諸星大二郎の「都市伝説漫画」ついに映画化

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   昔から伝わる民話と違って、自分の身近に起こるかも知れない恐ろしい噂を基にした「都市伝説」が若者の間で流行っている。「学校の怪談」や「人面犬」「トイレの花子さん」などがおどろおどろしく伝わって来る。映画になっている話も多い。岐阜県が発祥の地とされる「口裂け女」も今年3月、サトエリ主演の映画として公開された。

(C) 『壁男』製作委員会
(C) 『壁男』製作委員会

   この作品も「壁の中に人がいる」という奇妙な都市伝説に取りつかれた男の話だ。だが、壁の中に人がいるなんて信じ難い。しかも「女」なら興味が湧くが「男」じゃな、とてんから興味が湧かない。だからこれは退屈かも、と思って見始めると、予想通りのあくびの連発作品。原作は「暗黒神話」や「妖怪ハンター」など不気味な線描のカルト漫画家、諸星大二郎。総て北海道でロケをしたという。

   ある日、TVの情報バラエティ番組で町の噂を追ってレポートする響子(小野真弓)に「壁男」の投書が届く。番組のトピックもネタ切れなので埋め草として一度放送したところ、視聴者の反響が凄い。瞬く間に全国に広まる。響子の恋人のカメラマン仁科(堺雅人)は壁男に異常な関心を示し、自分の仕事を放り投げて壁ばかりを撮りまくる。響子の心配をよそに壁男との「交信」をしようとする仁科。壁にさまざまな文字を書いた紙と鈴を所狭しと張り付け、帰宅した響子を驚かせる。仁科の異常さは日を追う毎に増して行く。壁から返事があれば紙につけた鈴がチリンと鳴る、と。

   主演の堺雅人は「壬生義士伝」「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」などに顔を出している。小野真弓は「予言」などに脇で出演しているが、むしろCMで顔なじみだ。二人の扮するレポーターとカメラマンのロマンスが横の軸になるのだが、さらりと流れるだけ。監督・脚本は早川渉。CM出身で劇場用長編は初めて。そんなに下手では無いが、展開は予想通り進むし、最後はこれも想定内。映画はサプライズが無いと面白くも何とも無いですね。テアトル新宿のレイトショーで公開されている。深夜に見ると怖いのかな?

恵介
★★☆☆☆
2006年日本映画、トルネード・フィルム配給、1時間38分、2007年9月15日公開
監督・脚本:早川渉
出演:堺雅人 / 小野真弓
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