アメリカの人気SF漫画を映画化した「ファンタスティック・フォー」。この「銀河の危機」は2005年の第1作の続編だ。説明に終始したオリジナルよりストーリーが面白く、CGの特殊効果もふんだん。ダイナミックなアクション劇になっている。
(c) 2007 TWENTIETH CENTURY FOX
この夏の大作は「スパイダーマン3」「ダイハード4.0」「トランスフォーマー」など2時間を遥かに越す長尺ものばかりだった。「パイレーツ・オブ・カリビアン3」に至っては3時間近かったが、その半分の1時間半でこれほど楽しませてくれるのは有難い。
前作の活躍ですっかり有名人になったファンタスティック・フォーのメンバー。火を噴き空を飛べるヒューマン・トーチのジョニー(クリス・エヴァンス)や岩石怪力男ベン(マイケル・チクリス)も、空港では人だかりのする人気者。特にMr.ファンタスティックのリード(ヨアン・グリフィズ)とインビジブル・ウーマンのスー(ジェシカ・アルバ)はマスコミに騒がれて「世紀の結婚」を迎えようとしている。
ところがNYの高層ビルの屋上での結婚式が、空から襲うシルバーサーファーのお陰で滅茶苦茶にされ、お預けに。このサーファーは世界を駆け巡って災禍をもたらしている。早速4人が追いかけるが、一筋縄では行かない強力なパワーの持ち主。その影に宇宙征服を目論んでいる謎の「ギャラクタス」がいる。Dr.ドゥーム(ジュリアン・マクマホン)も改心したと思ったら、未だ悪に力を貸す敵役で登場する。
世界の災禍の最初は富士山をバックに駿河湾の漁船というのが楽しい。漁師が海に落っこちても沈まない。何と駿河湾が凍っているのだ。サーファーは更にエジプト、LA、NY、ロンドン、ドイツ、シベリア、上海と次々に大停電を起こしたり、河や陸に大きなクレーターを造ったりして暴れまわる。日常親しんでいる風景にディザスターが襲うのだから迫力があるし興味も湧く。強い仲間意識で結ばれたファンタスティック・フォーのメンバーとギャラクタス一味との生死をかけた対決が展開される。
監督は「TAXI NY」のティム・ストーリー。これだけ凄いCGを使えば演出は苦労しない。縦横無尽に活躍するサーファーもCGで、出演する俳優には有名なスターはいない。
2007年アメリカ映画、20世紀フォックス配給、1時間32分、2007年9月21日公開
監督:ティム・ストーリー
出演:ヨアン・グリフィズ / ジェシカ・アルバ / クリス・エヴァンス
公式サイト:http://movies.foxjapan.com/f4_2/