番組はまず高級食材店を取材した。北海道産3本入りマツタケが1箱10万円。
「高すぎて買う人も少ないから儲けにはならないよ」(店員)
とある精進料理店が仕入れた。「1人前2万円のコースにして出そうかと・・・なにはともあれ中国産じゃなくて国産もの」
秋の味覚といっても、フツーの人には縁のないものだが、ホンネは「でも、食べてみたい」――国産ものは今年の雨量不足と猛暑の影響を受けて、需要の10分の1しか採れない。価格も高騰している。まさに「まぼろしの食材」。
不足分は輸入。マツタケの大半を占めることになる。
ところが、この秋から輸入先が急変した。13%ほど輸入していた北朝鮮産がゼロになり、70%近く入っていた中国産は半分に減った。中国食材の不信感が反映した結果だろう。
以前からトルコ、アメリカ、韓国、カナダからは輸入していた。新登場となったのはスウェーデン、フィンランドの北欧勢だ。「ニホン人は大好きだそうだ。みんなで山に出かけてマツタケ狩りをしようぜ」
あちらの国ではちょっとしたブームになって、市民は目の色を変えているらしい。
さらに「おいしい商売」になるとあってモロッコ、ブータン、タイ、メキシコといった国からマツタケが続々とやってくる。外国産マツタケの分布図が急変!
これもテレビ・メディアの特性といっていいだろう。お台場で町の人100人に各国の焼いたマツタケを味比べしてもらう。生産地を隠して味見だったが、人気順は(1)中国産(2)フィンランド産(3)カナダ産(4)メキシコ産――
スタジオでも味見。
「ありがたい味だけど、出来れば国産ものを食べたいねぇ」(高木美保)
「香り、歯ごたえもあって意外においしいですよ」(佐々木恭子アナ)
小倉智昭は食い逃げならぬ「いい逃げ」を一発。
「何でみんなでマツタケなんだろう。これが椎茸と同じ値段だったら誰も騒がないよね」