持ち味の鋭い舌鋒はテレビの討論番組でミガキがかかったようだ。舛添要一厚労相のタンカの切り方は実に明快だ。社保庁と自治体の職員が年金保険料など計約3億4000万円を横領していた問題。
「泥棒でしょう」「牢屋に入ってもらう」喝采ものだ。とくダネ!も怒りをこめて連日の追及。<ネクタイを締めた犯罪者集団>と断罪した。
1例として取り上げた愛知県半田市の職員の手口はこうだ。
実在しない3人の受給者をでっちあげて、その架空の年金を自分のふところに入れていた。総額4400万円。
その泥棒職員が横領した動機はというと「将来の蓄えとして貯金した」。
――社保庁の職員が、将来は年金をもらえなくなると予知反応してネコババしたわけだ。年金を扱う役人自らが、いずれは年金が破綻するだろうと不安を感じての不正受給、つまりネコババしていたことになる。・・・8年前に起きたこの事件はマスコミに報じられたが、結末は?ようはうやむやに処理されたと判断するしかない。
小倉智昭は怒声だった。「そいつの職員のカオと名前を出せよ!これは犯罪でしょう。個人情報保護法で解釈することじゃないよ」
佐々木恭子アナも黙っていられない。「年金自体が国民の税金でしょう。考えられない!」
「民間ならすぐに懲戒免職になって起訴ですよ。公務員だったらまず内部で隠す。処分するといっても何か月かの休職とかで、とにかく甘い。今回のこういうケースは過去にさかのぼって徹底的に摘発してもらいたい。起訴されたら顔が出ますよ」(竹田圭吾)
社保庁の刑事告発されていないネコババは23件。これはあくまでもオモテに出たもので、ウラの事例はどれほどになるのか。氷山の一角がこの騒動でたまたまあらわれたということだ。
「国民は全容解明までは納得しない。国の根っこに関る問題ですから」(佐々木アナ)
舛添厚労相のバッサリ発言に背中を押されたように、とくダネ!の怒りの過激度は急上昇!