名古屋市で31歳の女性が3人組の男に拉致・殺害された。3人は携帯の"犯罪サイト"で知り合い、金を奪う目的で「力の弱い女をねらい」「顔をみられたから殺した」という、なんともやりきれない事件だ。
3人が知り合ったのは、携帯の「闇の職業安定所」というサイト。互いに素性も知らず、偽名のまま顔を合わせ、たまたま路上を歩いていた会社員磯谷利恵さんを車で拉致。7万円を奪って、ハンマーで殴り殺し、遺体を岐阜県の山中に遺棄した。
うちの1人、川岸健治(40)が「死刑になりたくない」と警察に自首してきたため、犯行がわかり、新聞勧誘員神田司(36)と無職堀慶末(32)も逮捕された。
磯谷さんは、顔を粘着テープでぐるぐる巻きにされ、両手には手錠がかけられていた。これで「だれでもよかった」といわれては、殺された方は浮かばれない。
小倉智昭は「山分けする金額じゃないよ、7万円なんて。ハンマーでめった打ちにされたんでしょ。かわいそうに。恐かったろうなぁ。ひどいねぁ。なんでこんなことができるんだろうか?」と、やりきれない表情。
桜美林大教授の諸星裕は「普通は主になる人間がいるんだが、これは考えにくい事件だ」と。
小倉は「これ、自首してこなかったら、迷宮入りの可能性もあったでしょ」
諸星はなおも「サイトはある程度警察にモニターされているから、そんなに起こる事件じゃない」という。はたしてそうか。
笠井信輔は「この闇のサイトは、これまでとりあげたいくつもの事件で登場しています。これらの規制をどうするかが課題」といった。
それだけではあるまい。今の日本を象徴する病理現象だ。金がないから人のものを盗る。弱いものをねらう。そして、捕まった時のことをほとんど考えていない。じわじわと日本人がバカになっている証拠でもある。