小池百合子防衛相と守屋武昌事務次官とのすったもんだが、安倍首相の裁定で先週金曜日(8月17日)に決着した。新聞各紙の見出しは一斉に「痛み分け」と出た。はたして真相は――
発端は、小池大臣が守屋氏を更迭する人事が、本人に伝わる前に新聞に漏れたこと。小池氏が後任に据えたのが、警察庁出身の西川徹矢官房長だったため、守屋氏はこれに反発。自ら官邸に乗り込む騒ぎになった。また事前に連絡もなかったことで塩崎官房長官も小池氏の手続きの不備を指摘する。
一方の小池氏も官邸に乗り込み、安倍首相への直訴合戦になった。小池氏は「(守屋氏には)携帯で2度連絡をとったが、反応がなかった。危機管理上も問題」。守屋氏は「折り返し連絡してます」と次元の低いやりとりもあった。そもそも、携帯で連絡するような話ではないだろうに。まあ、どっちもどっち。
守屋氏は在任5年目(通例1年半-2年)という異例の長さで、普天間問題、省格上げなどで力をふるった実力者。おまけにテロ特措法延長問題もあって、現時点の交代は微妙なところだった。さらに、8月27日といわれる内閣改造での小池氏の留任もからんでいたため、自民党も巻き込んだ騒動になった。
石破茂・元防衛庁長官は「次官が官邸へ乗り込んだりして、文民統制が壊れてしまう。ある意味でクーデターですよね」と、これはたしかに正論だ。
また中川秀直幹事長は「小池さんを切ったら、(安倍首相が)負けたことになる」。森元首相は「切腹する人を、後から切りつけた」などなど。
結局17日に安倍首相が出した線が冒頭の「痛み分け」。後任は、西川氏を飛び越してぐっと若い増田好平人事教育局長になった。防衛省生え抜きで「次の次」といわれていたが、現在の序列はナンバー6だ。守屋氏が出した5案の最後の選択肢だったという。
スタジオもちょっと湧いた。
小倉智昭が「小池さんは参院選直前に選挙の顔としてひっぱりだされた、それがなぜ、あえて守屋さんを切ろうとしたのかね」
桜美林大教授の諸星裕は「庁から省への格上げで意識が高まっていた。だからこそ、上がしっかり抑えないといけない。この騒ぎが起こってよかった」という。
ピーコは「パフォーマンスが多い人なので、うさんくさい」と女嫌いをあからさまに。
最後に小倉が「国防にかかわることだから、こうしたゴタゴタが表に出ると、国民が不安になる。大臣が本当に国防のことを考えてやったのならいいが、自分のためだったりしたら‥‥」
その結論は、27日に出る。