わいせつ目的で15歳の少女を3か月半も静岡のアパートに監禁。無職の男(33)が逮捕された。
きっかけは出会い系サイトではなく、男が運営するケータイ電話の着メロサイトだった。
<母親との関係で悩んでいます>
<おれと一緒になれば自由になれる。幸せにしてあげる>
こんなやりとりが接点になって、大阪に住んでいた少女は静岡に向かった。男の正体は「性的にだらしなく女性に暴力をふるう病気持ち」(実母の話)で、この犯罪は計画的だった。すぐに少女が連絡をとらないようにケータイを破壊、静岡市内のワンルームマンションに監禁した。
「帰りたい」というと「逃げたら承知しねぇ」と暴力を振るう。日常茶飯事だった。生活費は少女を近所のコンビニに働かせて貢がせていた。少女には100円以上のカネを持たせなかった。結局は3か月半で軟禁生活から逃げて事件が発覚、男は逮捕された。
この事件には常識では判断できない部分がある。
(1)少女が軟禁状態にあったときに、男の実父がマンションに同居していた
(2)コンビニでバイトするくらいなら、なぜ助けを求めなかったのか
(3)しかも――その間に少女が2度も大阪に実家に一時帰宅している。
少女は実家に帰りたくない深い、深い事情があった。(リポーター・阿部祐二)
「おっかしいですね」と加藤浩次が突っ込む。
テリー伊藤は早口で異常な背景を説明した。「いまの事情というのは少女の人権もあるから言えないけど、実家は地獄ですよ。肉体的な関係もあって悲惨です。つまり彼女は実家、軟禁どっちにも居場所がなかったんですよ」
被害者である彼女はいま施設に収容されているという。
ネット社会が産んだ犯罪・・・ではなかった。親そのものが子どもの犯罪を助長していた。家庭が地獄なら、子どもは誘拐されても家から逃げる。おぞましい事件だ。