妻に9000万円の保険金をかけ、自殺を装って殺害したとして「殺人容疑」で逮捕されていた夫の小林広容疑者が8月6日日夜、宇都宮中央署の面会室で首をつって自殺した。
小林容疑者は03年1月、物置に放火して火災保険金をだまし取ったとして起訴されている。また07年2月には、妻が首をつっているのが見つかったが、これも「保険金詐欺」の疑いがもたれている。
小林容疑者はこの日、午後7時46分から弁護士と面談していたが、30-40分後に弁護士は警察署を出た(署員が目撃)。その際、署員に面会終了を知らせていたかどうかがわからない、という変な話。面会時間が長いことを不審に思った署員が午後9時16分に面会室に入って、自殺に気がついたという。
笠井信輔の解説によると、面会開始の約10分後に、弁護士は警察署の駐車場で読売新聞の取材を受けていたといい、弁護士は外にいたことになる。一方警察は、面会時間は約30分としており、実際に弁護士が面会室を立ち去ったのが何時なのかも定かでない。なぜ容疑者が1人になる時間ができたのかも、解せない。
現場のレポーターは、「詳しいことはまだ確認がとれないので」といっていたが、発見から12時間近くも経っていながら、「確認中」といわれて、そのまま伝えるというのはなんとも能がない。だいいち、弁護士はいまどこにいる?
笠井は「接見での弁護士のやり方は、人によってまちまちなんだそうです」と、どことなくひとごとみたいないい方だ。問題は、当の弁護士、それと警察の態勢だろうに。
「自殺によって、真相を確認する道が失われたのは、責任が大きい」と竹田圭吾。
まして小林容疑者は、2件とも否認していた。共犯とされる2人が自供してはいるが、主犯不在という事態をどうするのか。つっこみが足らないと、見ているだけでいらいらする。