「気の強い女」と「性格悪い女」ミもフタもない口げんか(肩ごしの恋人)

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   今や数少なくなったオトナの男女群像ドラマだ。もちろん中心は女2人だが、それに4人の男(田辺誠一、永井大、要潤、池内博之)がからむ。もっとも、そのうち2人はゲイだけどね。おっと、若手も1人(佐野和真)忘れちゃいけない。

   萌(米倉涼子)とるり子(高岡早紀)は幼なじみの30歳、仲が良いんだか悪いんだかわからないクサレ縁だ。萌は仕事をして自分で生きようとしている女、恋にはイマイチのめり込めない。片や、るり子は恋愛体質、自分の魅力に絶対の自信を持ち、「女は男に幸せにしてもらう生き物」だと信じて疑わない。

   るり子は3度目の結婚だが、相手の信之(永井大)はなんと萌の元カレ。るり子が萌から奪ったのだ。その言い草が「だって私って男見る目ないでしょ。だから萌が選んだ男なら間違いないかと思ってェ」。究極のジコチュー女。こんな女にフラッといってしまう男も男だ、と思わず拳を固める私であった。

   あげく、ちょっと信之がウソをついて会社の若い女と出かけたのが発覚すると、萌のせいにする。「あんなバッタモン、押しつけてェ」だと。殴るぞ、オンドリャー! でも平気で男をバッタモン呼ばわりできるその神経には脱帽せざるをえない、かもしれない。

   家出してきたるり子は萌の家に転がり込む。萌もよく入れてやるよね。しかも「行くところがない」という会社のバイト学生、崇(佐野和真)が先客としてベッドの中に――こ、これはマズイだろ。じつは、この少年、大学生だと思ったら高校生、萌とのベッドシーンがなんともリアルだった。ま、見た人にはわかると思うが。

   フジテレビの「山おんな壁おんな」と同時間帯だが、視聴率はこっちの負けがはっきりした。それどころか、今クールでビリのようだ。ウーン、どうしてかなあ。

   「甘さ」がないことは確かね。気の強い女と性格の悪い女が、「結婚バカ!」「何よ、エッチだけの女!」などと、トークバトルを楽しむというにはあまりにミもフタもない口げんか。特に男子は引くかもね。

   30歳になって、萌はキャリアアップどころか、大手社員→中小企業派遣→宅配便の日雇いドライバー、とどんどん不安定になってるし。るり子も3度目の結婚に暗雲たれ込めてるし。

   でも皆さん、仕事と恋愛・結婚という多くの女子が直面する人生の2大テーマに、それぞれのやり方で立ち向かっている2人なのです。温かく見守ってやって下さい、とふつつかな彼女らに代わってお願いいたします。

   幸せになってね、萌ちゃん、るり子ちゃん。

   ※肩ごしの恋人(TBS系・木曜夜10時)

文   カモノ・ハシ
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