台風5号は、宮崎県日向市に上陸して九州を縦断、日南市では41.2メートルの最大瞬間風速を記録した。山口県を横切って日本海へ抜けた。宮崎では4トントラックが横転したりして、6人がけがをした。これまでに6県で重軽傷16人、奈良・吉野川で行方不明2人。
「スッキリ!!」の台風レポートは、「台風5号が夏休みの列島を直撃、猛威をふるいました」という阿部哲子アナの前フリで始まった。
まず大分には大竹真が現れた。大分港の防波堤に出ていって、波しぶきをかぶっては「ウワーッ、凄い」を連発。当時25メートル。次に大分市内で、傘を差して歩いている人たちの脇で、ワーワー。坂道の側溝であふれた水柱に走り寄って、また「凄い、凄い」
しかし、大竹がしゃべっている内容は全部映像がとらえている。「市内はパニックです」というのがウソであるのもばっちり。実際はたいしたことじゃない。「パトカーも警戒してますぅ」。全部映像で見えてるよ。
高知の桂浜には、田中美穂。「雨が痛い。目をあけていられません」と叫んでいる。カメラも水しぶきで映像がよく見えない。そのあと香南市の海岸に異動して、またまた防波堤に立った。今度は「立っているのも困難です」と、たしかに危なっかしい。
大竹はこのあとさらに、佐賀関漁港に現れて、「船が大きく揺れています」とやっていたが、全然揺れていなかった。大竹は先月も那覇に行って叫んでいた。まあ、ご苦労様ではある。
毎度毎度、台風というと雨風の中に立って叫ぶのが定番になっているが、見るたびに「こんなこといつまでやってるんだ?」と思ってしまう。臨場感がほしいのだろうが、足腰の弱い女子アナなんか、吹き飛ばされたらそれっきりだ。そんな危ないところへ出すヤツの神経を疑う。
だいいち、雨風の不自由な状況下で、彼らの発する舌足らずの言葉が、映像に全然追いついていない。そんな言葉なら要らない。波を風をはっきり写せ! レポーターとは、画面に写っていないものを伝えるべきもの。自分が写ってどうする。
こんなことやってると、そのうちだれか死ぬぞ、といつも思う。