番組司会のみのもんたは夏休みで不在、ニュースは赤城、阿久悠、朝青龍の繰り返しで、ウォッチすべきネタの泉も涸れ気味である。
――と思っていたとき、朝青龍問題でゲスト出演した杉山邦博・元NHK相撲中継アナウンサーが気になる発言をした。
曰く、「(朝青龍の処分は)江戸時代でいえば、蟄居閉門を仰せつかった」ようなものだそうだ。「いまの若い人には『蟄居閉門』と言っても、わからないでしょうが」などと、挑発する。若いかどうかは別にして、知らないので調べてみることに――。
国語辞書・辞典に当たったが、「蟄居閉門」あるいは「閉門蟄居」と四字熟語的に記載している例はナシ。蟄居には「江戸時代、武士などに科せられた刑罰で、閉門の上、一室に謹慎させること」というようなことが書かれている。ふーん、「蟄居」には「閉門」が含まれているらしい。
一方の閉門。これは、文字通り、家の門を閉ざす。家の中では自由に行動できるので「蟄居」よりは軽い刑だ。
これらの情報を総合すると、「蟄居閉門」は、江戸時代の刑罰で似たモノ同士をまとめた俗語的表現と考えられる。現代では、たとえば「禁固・懲役」と言うような感じ!?
正確には、江戸時代、お上が「仰せつける」のは、蟄居か閉門のどちらであり、「蟄居閉門」ではなかったはずだ。
アナウンサーが放送で使う言葉としては、「どんだけ~」と同じぐらい、不適当かもしれませんぜ。
文
ボンド柳生