東京・渋谷の歯科医師の長女・武藤亜澄さん(20)を殺害、遺体を切断した兄の勇貴被告(22)の初公判が東京地裁であった。公判を傍聴したリポーターの大村正樹が「異様な」公判の雰囲気をリポートした。
まず、大村が奇異に感じたのは、逮捕直後と比べ被告が、「高校生かと思うほど」幼っぽく感じたことだという。「両親からの差し入れなのか、ダブダブの白のワイシャツに黒のズボンというのも、高校生ぽっく見えたのかもしれないのですが…」といぶかしげだ。
公判では、両親の証言の後に被告の兄が立って証言した。大村の印象に残ったのは、家族の証言は、被害者である亜澄さんに対する批判ばかりだったことだ。
たとえば「父の帰宅した時、部屋に男性を勝手に入れていた」「一時、家出して帰ってきても一言も謝らなかった」「(兄たちに)暴力を振るわれたと親にウソを言った」。
これに対して、「(被告は)真摯に対応していた」と証言し、3人とも証言の最後に「寛大な措置をお願いいたします」と付け加えていたという。
小倉が「お兄ちゃんは普通、妹が可愛いくてしょうがないのですがね。デーブ、どうですか?」に、デーブは「病的な犯行ですよ。これだけ恵まれた家庭なら、勝手な行動があっても普通なら乗り越えていく。(減刑のための)脚色があるのかもしれないが、その場にいないのでわからない。極刑が必要ですよ」
殺害後の遺体切断は、「真摯な対応」という証言に到底そぐわないやり方なのだが…
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト