山口県光市の母子殺人事件差戻し審の第5回公判が7月24日、広島高裁で開かれた。今朝の『とくダネ!』は、情に訴える戦術に大転換した大弁護団と元少年の一問一答を取り上げた。
この日、元少年が証言した「犯行当日の模様」はこうだ。
犯行当日については、「朝7時に起床。父親への畏怖から会社に行くふりをするために、会社の作業服を着て友人のところへ。正午に帰宅して義母のつくった昼食を食べた後、テレビを見ていた義母の後ろから抱きついたが、『仕事に遅れるわよ』という義母に促されて家を出た。
このあと排水検査を装って被害者の本村洋さん宅へ行き、出てきた弥生さん(23)に「排水検査の者ですがトイレの水を流して下さい」と言って、部屋に上がりこんだ。その時「(弥生さんが)部屋の中へ手を差し伸べたので、入らなければと思った」とも証言している。
元少年はこの後いったん外へ出たが「検査が終了したことを言わなければ」と思い、戻って犯行に及んだという。
犯行の2日前、「口論になった父親が包丁を持ち出してきて喉元に突き付けてきた」という。犯行後は、その父親への畏怖から「警察では殺されることはないので、進んで捕まった」と証言した。
前回の6月末の集中審議の時は、弥生さんを殺害後に屍姦したことについて「復活の儀式」など、わけのわからない証言をしたのに比べ、今回は「父親への畏怖」、中学2年の時に亡くなった「母親への思慕」を前面に出し、戦術転換。流れは、弁護団が描いた"シナリオ"をもとに、元少年が演じる"一人芝居"第2幕といったふうだ。
キャスターの小倉智昭が「この時になってこういう"事実"を出してきた」と唖然。女優の高木美保も「被告の話が回を重ねるごとに上手になっていく。真実と法廷テクニックの境がわからなくなってきてしまう」とも。
小倉はさらに「それが弁護団のねらい。どんなテクニックを使ってでも、刑を軽くするのが狙いだから」。正味2時間半、弁護団の質問によどみなく応えたという元少年と弁護団に、二人共やり場のない怒り?