中国食品の安全性が世界的に問題視されているさなかのニュースだった。北京市で段ボール紙60%と豚肉40%を混ぜた具を包んだ肉まんが販売されていた。北京テレビの「特ダネ報道」は一瞬で世界中に伝えられた。
ところが一転、同テレビは「やらせ報道」だったことを認め、「悪質であり、社会的影響を与えた」として視聴者に謝罪した。
熟していないスイカに赤いインクを注入したり、トウモロコシに発がん性物質を入れたりとさまざまな珍話題を提供してくれる中国。スパモニでは「またしても」ムードだが、ゲストの発言は「しかし・・」活発なトークとなった。
水を差すようだが、ニホンでもつい最近はミート社の雑多な肉の混入事件があった。「やらせ報道」だって珍しくはない。面白おかしくはしゃいでばかりいられない。
「ぼくは最初にこの映像を見たときに怪しいと思った」と鳥越俊太郎。「潜入取材というけど、カメラ目線が堂々と正面から撮っている。ニホンのやらせだったら、こんな絵作りはしない」
同調する意見が続いた。
「不自然な映像だし、ホントのことはわからない。ただ、北京五輪の前なので虚偽にしておけということにしたのかな」(北野誠)
「国際的に中国ブランドの信用が落ちている。ぼくも五輪に向けて悪循環を断ち切ろうという流れだと思う」(中村伊知哉・慶応大学教授)
つまり、中国のテレビ局は共産党下の政府当局が支配している。「やらせ報道」は最初から仕組んだものではないか。こうしたコメントは推測だ。鳥越はもう一歩突っ込んだ。
「北京五輪を意識して、このようなコトを起こして、見せしめにしようと演出したかも知れないね」・・・段ボール肉まんの「やらせ報道」は謀略だった――