台風の直撃を免れたと思ったとたん大地震。「とんだ3連休になってしまいました」と小倉キャスターの第1声で、新潟中越沖地震(マグニチュード6.8)を1時間10分にわたり特集した。
今朝7月17日午前8時の時点で、最も被害の大きかった柏崎市、刈羽郡刈羽村を中心に死者9人、行方不明1人、けが人903人、家屋の全半壊307戸。
番組は、リポーターの緒方昭一、大村正樹などが柏崎市に入り被災地をルポしたが、映像を見ていると、ペチャンコに潰れた家は古い瓦屋根の家屋が目立つ。その下敷きになって亡くなられた方は70歳以上の高齢者ばかり。道路がいたるところで寸断され、JR信越線の柏崎駅ホームには脱線した車両も。
43年前の1964年の新潟地震(M7・6)を体験した新潟出身の歌手、小林幸子さんが「なぜ、もう勘弁して!」と悲鳴を上げたという。ここ3年内に、04年10月23日の中越地震(M6・8)、今年3月25日の能登半島地震(M6・9)、そして今回の3回目だ。
溝上恵東大名誉教授によると、頻発する地震の共通点は、北陸から佐渡沖の海底に潜む活動中の地層の割れ目「活断層」にあるという。ユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピンプレートの4つのプレートが押し合いへしあい、限界に来てこの地域の活断層にひずみができたとか。
ここらは海岸線に並行していくつもの活断層があるが、今回は断層の左右が上下に動いた直下型の逆断層地震という。
一方、地震のメッカである東京電力の柏崎刈羽原発の6号機で使用済み燃料プールの水があふれ、施設内の排水溝を通じて海に流出した。3号機の建屋の脇の変圧器で火災も発生した。作家の室井佑月は「東電は想定外だったとしているが、もっと最悪の想定をしておくべきでは?」と批判した。
番組最後に、小倉が「取材は強力でしょ。どういう方法で入ったのか不思議だが、6班入った」。これに応えて前田忠明も「バッと集中して投入する機動力はありますね」と"自画自賛"のきらいはなくもないが、大事件が発生した時の取材瞬発力は認める。