今回紹介するのはTBSで4月からスタートしたバラエティ「むちゃぶり!」。
しかし、テレビ東京でも火曜日にそっくりな名前の「むちゃブリ!」という番組をやっている。テレ東のほうは関ジャニ∞がメインの音楽バラエティだが、TBSの「むちゃぶり!」のほうは、日曜深夜にくりぃむしちゅーの有田哲平がひっそりとピンでやっている。あまりのそっくりぶりに、番組の冒頭で「アレ?有田がやってる『むちゃぶり』ってテレ東の?」とネタにしているぐらいだ。
有田たちが「むちゃぶり」にさらされまくる
番組の内容はいたってシンプル。まず、有田と2人のゲスト(芸人&若手アイドル1人ずつ)には、「無人島から無事帰還した3人」とか「動物に育てられた3人」とかの「架空の設定」がテーマとして与えられる。そして司会からひたすら「むちゃなこと」を質問されまくり、それにトークで答えていく。有田を含めた3人は30分間ずっと、司会の「むちゃぶり」にさらされ続ける。そんな“ドM”な番組なのだが、TBSはそれで笑いを取ろうというのだから、ある意味“ドS”な番組ともいえる。
3人の出演者はどんな「むちゃぶり」な質問をされても、絶対「わかりません」とか「答えられません」とか逃げてはいけない。なおかつ、そのトークで30人の観客を満足させなければならない。最後に観客が満足したかどうか審査され、過去の放送分とあわせてランキング化されるのだ。
しかしその「むちゃぶり」は想像を絶するものばかり。
そもそも司会は、なんと2体のマネキン。「無茶鰤男(むちゃぶりお)」と「無茶鰤子(むりゃぶりこ)」という安易なネーミングのマネキンが、有田らに「むちゃぶり」な要求を次から次へと繰り出してくる。実はその声はバナナマン設楽とベテラン声優の山田美穂が生でアテているのだが、目の前にいるのが生身の人間じゃないんだからそりゃ分が悪いってもんである。毎回出ている有田はともかく、ゲストの2人は見事なまでに苦境に陥れられて狼狽し、ひどいと半泣き状態になることもある。
「有田を夫とした一夫多妻制の夫婦」だって?
特に秀逸だったのは、山田花子と木口亜矢がゲストとして登場した6月3日の回。木口亜矢といえば、小倉優子や井上和香を輩出しているグラビアアイドルの登竜門「日テレジェニック」に今年選ばれ、ヤングサンデーの巻頭カラーなど最近露出がぐんと増えている売出し中のグラドルだ。 この回で有田と山田、木口に与えられた「設定」は、「有田を夫とした一夫多妻制の夫婦」だ。しかも山田が第一夫人なのに、木口は第二…ではなく「第六夫人」とされていた。この番組はいつもゲスト&視聴者の斜め上を行く。
司会の無茶鰤男(設楽)は、「木口の嫌いなところを3つあげてもらってもいいですか?」と有田に「むちゃぶり」な要求をする。有田は追いつめられながらも、なんだかんだで「むちゃぶり」にノっかる腕はさすが。なんとか2つあげた後、3つ目に「(木口は)そもそも男だったんですよ」。むちゃぶり同士討ちだ。でも木口も負けていない。「昨日、性転換したんですよ」などと、見事な天然(?)ボケをかましてくれた…
木口のようなまだTVに売り出し始めのアイドルの、追いつめられた末に出てくるあられもない姿。この「むちゃぶり」では、そんなアイドルの素顔をかいま見ることができるし、意外なキャラやトークの腕がある人材を発掘することができる(逆もまたしかりだが…)。そういう意味で貴重な番組だ。
あなたも「むちゃぶり」によって引き出される、普段は見られないワンダーワールドを楽しんでみてはいかが?