今日は、裁判員制度をにらんだ「スッキリ模擬裁判」の2回目。今度の事件はストーカー殺人だ。事件のストーリーはこんな感じ。
歩道で転んでけがをした恵美子(21)に太郎(27)がハンカチを差し出したことで、2人は知り合った。が、「彼氏がいるから」と交際をことわった恵美子に、太郎がつきまとう。アパート前でタバコをすう太郎。連絡を受けた彼氏が太郎に暴力を振るった翌日の夜、恵美子がアパート前で刺されて死んだ。フードをかぶった男がナイフで刺すところを目撃されていた。
太郎が逮捕、起訴された。容疑は、暴行された逆恨みの殺人。
◆検察側は物証として
(1)ナイフ=傷口がほぼ一致。2日後に捨てている
(2)ハンカチ=被害者の血がついていた
(3)タバコ=当日男が現場でタバコを吸うのを見た
◆弁護側はこれについて
(1)ナイフ=太郎は左利きで、傷口が逆
(2)ハンカチ=出会ったときのもの。思い出にと所持
(3)タバコ=いつも吸っている銘柄と違う
スタジオからは「血が新しいか古いか?」「アリバイは?」「彼女はその前どこにいた?」など疑問が提起されたが、元裁判官の八代英輝は「与えられた素材の中で判断しなければならないのが、裁判員制度の難しさだ」という。
さて5人の判断は、4人が「無罪」。
「ひと1人有罪にするだけの証拠がない」(さかもと未明)
「タバコの銘柄が違う。左利き」(かとうかず子)
「血の古さでわかるはず。左利き」(テリー伊藤)
「与えられた条件だと立証できない」(阿部哲子)
加藤浩次だけが「有罪」で、「VTRを見ると、太郎としか思えない」
裁判官役の八代は「VTRは検察のシナリオでできている。実際の裁判ではこれらの証拠のほか、目撃者が証言する。その信憑性なども判断することになる」と。さらに裁判員だけでは有罪に出来ない、などのルールも解説した。
で、彼の判決もやっぱり「無罪」だった。「乏しい物証だけでは犯人と断定できない。これからみなさんもこうした判断をすることになる」
1人だけ外した加藤も「いまのうちに勉強しておいた方がいいですね」