貴金属店、宝石店が恐怖におののいている。防犯設備なんて「それがどうした」といわんばかりに、センサーを切って店舗の壁に穴を開ける。ショーケースをハンマーで叩き割って貴金属を根こそぎに奪い去る。被害は1件で億単位。
スパモニ特捜部は大胆不敵な犯行を重ねる"爆窃団"の実態をリポート。韓国ソウルで実行犯の男にインタビューした。
「おれたちは人殺し以外は何だってやる」スタジオでは口々に「衝撃ですね」。凍りついた感があった。
実行犯はソウルで犯行の手口を<再現サービス?>して見せた。ニホンのテレビ局の"有料"の依頼に応えたのか、それとも「いつでもやるぞ」の示威行為なのか。
まずビルの外壁にドリルで2か所、穴を開ける。そして周辺をハンマーで叩き割る。厚さ15センチの壁に、ほんの数分間で人間が通れる穴が開く。あっけない。
「店に入ってしまえば、あとは一番値段の高そうなものをいただくだけさ」
爆窃団といえば中国人の窃盗団・・・最近はこれに乗じて韓国の「聞くな団」が「壁を破る」犯行を重ねている。
「聞くな団」・・・ピラミッド構成になっていて会社長→社長→仕事人。仕事人とは実際の実行グループで下見、見張り、穴あけ、盗みと分担制になっている。彼らは仲間の素性はまったくわからない。だから「聞くな」・・・
「彼らは出会ったその日に調達されて、パッと盗んで、ヒットエンドランで逃げてしまう。そのなかのひとりが捕まっても共犯が誰なのかわからない。しかし、頂点にいるのがニホンの暴力団。これは間違いない」(大谷昭宏)
ニホンの暴力団が立案して、襲うべき店の情報、狙いの貴金属を実行犯に指示。盗品を受け取り、売りさばく。「聞くな団」は現金をもらってすぐ韓国へ。犯罪組織の国際化は現実に起きている。
「これはテロ組織にもあてはまります。観光という名目で来日してやってきてさっと帰るからシッポがつかめない」(村田晃嗣・同志社大教授)
爆窃団に加えて「聞くな団」。それをバックアップするニホンの暴力団。貴金属店や高額のモノは彼らの絶好の標的にされている。