朝鮮総連の中央本部をめぐる仮装売買事件はころっと一転した。東京地検特捜部は詐欺の疑いで元公安調査庁長官の緒方重威(73)ら三人を逮捕。
「仮にもアンタは公安調査庁の長官だった人でしょ」とみのもんた。アゴに手をやって「信じられないよ」の連発。
最初、事件の構図は、朝鮮総連が差し押さえを逃れる工作のために、元長官らに4億8千万円のカネを渡した。「総連を守りたい」――ところがどっこい、総連は被害者だった。 「私も同席していたJNNのインタビューで彼はこういっていたんです。これは取り引きを潰したい官邸が仕組んだ政治的な弾圧と、強調していたんです。これが1週間で変わったということです」(杉尾秀哉)
「検察の信用も失った」と言ってのけた元長官。広島、仙台の両高検検事長を歴任した大物検察OBは詐欺で捕まった。信用うんぬんの話ではない。
ゲストの元検事の弁護士大澤考征はいう。
「結局は総連のカネをだました、詐欺にあったということになります。架空という仮想のもとで大規模な詐欺事件になった。検察としてはすべての証拠を押さえて、逮捕に踏み切った」そしていった。
「検事長まで勤めた人にワッパをかけた・・・失礼・・・逮捕したというのは検察が慎重を期した結果です」
認証官(任命の際に天皇の認証が必要な官吏)の逮捕は前代未聞だそうだ。フツーの人が万引きしてもワッパ(手錠)をかけられる。認証官だって悪事をやらかせば同じワッパだろう。カネに執着した妖怪の逮捕。「失礼」の一言は検察OBへの単なる社交辞令だ。