「ダイ・ハード4.0」
最先端「サイバーテロ」に勘と体力で立ち向かう

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   いつでも「間の悪い時に、間の悪い場所に居合わせる、間の悪い男」。変なタイミングで事件の起こる現場に居合わせてしまうNYPD(NY市警)の刑事ジョン・マクレーン。別居している妻ホリーとクリスマス休暇を過ごすため、LAに飛んでホリーの勤務先のパーティに顔を出したらテロリストに襲われるし(第1話)、妻がLAからワシントンDCに帰るのを出迎えに行ったら、拘禁中の麻薬王を奪い返そうと飛行場を占拠しているギャング団に出くわしてしまう(第2話)。さらに妻と別れアルコール依存症になって休職し、NYでのんびりしていたら第1話のテロリストの兄の爆弾魔から復讐を受ける始末だ(第3話)。各回とも全身負傷してボロボロの態だが、DIE HARD!(そんなことでくたばらねぇよ)。

(c)2007 TWENTIETH CENTURY FOX
(c)2007 TWENTIETH CENTURY FOX

   前作から交代した監督は、美術部門から「アンダーワールド」で監督デビューしたレン・ワイズマン。闇の世界をスタイリッシュなアクションで描いた新しい手法が認められて、メガホンを取った。

   前作から12年経ったこの第4話。ニュージャージーにいる娘ルーシーに悪い虫がつかないかと監視をしていた場所とタイミングが悪かった。近くに住むハッカーの若者マットを護送する指令を受けてアパートに行ったところ、何者かに襲われる。小銃から始まり機関銃やロケット砲の攻撃は部屋をぶっ飛ばす。マットを連れて辛くも逃れたマクレーン刑事は、またまた大変な事件に巻き込まれるのだ。それはインターネットを駆使して国家機能を破壊しようとするサイバーテロの「マザーファッカー」との対決だった。

   主演のブルース・ウィリスは少ない髪の毛を剃り上げてツルッ禿に見える。20年近い前の第1作の時でさえ髪は薄かったから無理も無い。でもまだ52歳、髪の状態には関係なくアクションは現役だ。中でもパトカーを激走させて空中の敵のヘリコプターに衝突させ、爆破するシーンは凄まじい。また、敵の車を追って大型トレーラーで高速道路を走行中、犯人の指令と気付かずに襲いかかる海軍のジェット戦闘機との一騎打ちも尋常でない。

   可笑しいのは敵のナンバー2、アジア系美女との対決だ。「M:i:III」のマギー・Qはカンフーの名手。チョップとキックでマクレーンをボコボコにする。もっと笑えるのは、マクレーンが敵のボスから「このデジタル時代のハト時計野郎」と言われる場面だ。サイバーテロだから総ての機器や用語、作業はデジタル。彼らに狙われるハッカーのマット(ジャスティン・ロング)の助け無しでは何も分からないし、どう反撃したら良いか戸惑うばかりのアナログ男なのだ。しかし一対一の対決になるとデジタルは関係ない。懐かしい市民バンドの無線も使い、そこでの大活躍が国家の危機を救うのだから痛快、愉快だ!

   親父なんか大嫌いと、マクレーンの苗字を捨てて母親姓を名乗る娘ルーシー(M・E・ウィンステッド)を救うために戦う親子愛は、殺伐な大激闘劇に安らぎの感情をもたらす。この映画、第1作に負けず劣らず面白くて刺激的だ。

恵介
★★★★★
「ダイ・ハード4.0」(DIE HARD 4.0)
2007年アメリカ映画、20世紀フォックス配給、2時間09分、2007年6月30日公開
監督:レン・ワイズマン
出演:ブルース・ウィリス / ジャスティン・ロング / ティモシー・オリファント
公式サイト:http://movies.foxjapan.com/diehard4/
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