「若いもんは大嫌い。負けることを知らないもん」

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   小倉智昭60歳、北野たけし60歳--とくダネ!は収録した両者の「還暦対談」を流した。

   トーク内容は北野たけし監督の13作目の作品「監督・ばんざい!」が中心だったが、<たけし60歳の主張>がユニークだったのでいくつかピックアップしよう。

   「おれの映画って当たったのは座頭市ぐらいのもんで、自殺者が出るくらい客が入んない。ほかの映画が売れてんのにと腹立ってさ、おれだってと思ってパーッと作って失敗!したのがこの作品」

   「いままでの映画のキャリアを全部白紙に戻して、もう一回キャンバスを塗り変えるか、カードを総取替えする感じで撮ったんだ」

   「おれの映画作りは一番高いプラモデルの部品をひとつひとつ組み立てるようなもので、フィルムを編集している作業が一番楽しい」

   「若い人が単純だなぁと思うのは、この映画は泣けると聞くとみんな泣きに行くという風に流されていて、これはあらゆるエンタティーメントも同じ状況になっていると思う。おれの映画は、こんな流れがつらいなぁという落ちこぼれたヤツを拾うんだ」

   「島田洋七はかつてはライバルだったけど、がばいばあちゃんで受けてうれしいね。おれが事件を起こして石垣島に逃げたときなんか一緒に酒飲んでさ。台湾に逃亡しようなんてね。あいつは大ウソツキでさ。・・・がばいばあちゃん?あれは居なかったという話もあってさ」

   「綾小路きみまろはキャバレー芸は凄かった。勝てなかったよ。あいつは並みのテキ屋じゃない。いつかは大舞台でやると思っていたよ」

   たけし60歳・・・挫折あり、絶頂期ありで還暦を迎えた。

   フリップに浮き沈みの<人生グラフ>に線を書いた。20代はマイナス、30代で上昇カーブ。40代後半で75点ぐらいで頂点になり、急落下。

   「バイクの事故を起こしたのは12年前。あれで一度死んだという思いはあるね。天才だった、なんていわれたりしてね。でも生き残って、それから映画」

   「若いもん?大嫌いだよ。努力すればすべて夢が叶うなんて・・・そんなうまくいくわけねーだろ、ばかやろ。こういいたいね。負けることを知らないもん」

   ――負けること、苦労すること、挫折すること。この道のりをたどってきた<60歳の主張>でした。

文   初代不良家
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