映画の「短期DVD化」 劇場主が猛反発
最近は、映画が短期間でDVD化されることが当たり前になった。映画公開の終了後、先ずDVD、VHSや有料放送(Pay Per View)になり、その後フリーTVに登場と言うパターンだ。DVDが大流行して、劇場だけで補えなかった製作費などは完全にプラスに転じる力をつけた。 しかし海賊版DVDも中国や東南アジア、南米に蔓延して、映画スタジオに年間6000億円を越すダメージを与えている。予防策はDVDへのウィンドウ(移行期間)を短縮することだ。海賊版が出る余裕時間を与えないという戦略。だから昔は1年経たなければDVDが手に入らなかったのが、今では最長で3か月。
映画公開時期も、日本ではアメリカに遅れること1年はザラだったが、そんなに空けると海賊版が入ってくる、と世界中で同時公開が普通になった(「スパイダーマン3」はアメリカより3日も早い)。またアメリカが金曜初日なので、土曜初日の日本も徐々に金曜初日に切り替えて来ている(「パイレーツ・オブ・カリビアン3」「ザ・シューター」など)。
このスタジオ政策に怒ったのは劇場主。同時公開は宜しいが、短期DVD化は見過ごせない。まだ上映しているし客は入っているから延映もしたいのに、DVDが発売されれば商売に影響が出るではないか!怒った劇場主がデモ行為に出る。ドイツとイギリスの200を越える劇場主が、この春大ヒット中の「ナイト・ミュージアム」の上映を突如打ち切るという行動に出た。スタジオは映画興行とDVD売り上げは同じ財布だから弱り切っている。
恵介