「北野監督のカツラは仲見世で200円」

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   世界のキタノは突発的にコメディアン登場。60回記念のカンヌ映画祭。各国の映画人が正装で赤いカーペットをしゃなりしゃなり歩くなか、北野武監督は‘たけし’になってテレビのバラエティー番組のスタジオから直行した感があった。

   「なんと和服で頭にちょんまげを乗せています。このカツラ、浅草の仲見世通りで200円で買ったものだそうです」と笠井信輔。

   かっては文金高島田のかぶりものも実行しようとしたので「ようやく実現したパフォーマンス」ということだ。

   ことしのこの映画祭は、60周年記念企画として映画世界の巨匠35人を選んだ。その巨匠たちが「劇場」をテーマにして短編を作り、オムニバス上映する・・・世界のキタノもそのひとりだ。

   巨匠たちが競作する3分間の短編。コーエン兄弟(米国)、ウォン・カーウァイ(香港)、ロマン・ポランスキー(ポーランド)、チャン・イーモウ(中国)らに世界のキタノは「素晴らしき休日」で参戦。大爆笑をとった。

   「この作品は映画館をテーマに、たけしがいろんな映画にチャレンジした・・・といったナンセンス・ムービーです、が・・・」といいながら笠井信輔はバンザイのジェスチャー。

   「おれにとって巨匠は虚像なんだ。監督としてはお手上げなんだよ、バンザイだといいたかったのではないかと思われます」

   ――巨匠っておれのことかい。そんなイメージだったらヤだね。

   「プレッシャーのなか、いま高い位置にいる自分をリセットして、ゼロから始めようとしているようです」独特ないい回しのたけし寸評。ユニークな笠井信輔のたけしリポートでした。

文   初代不良家
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