1. ハモニカ、童謡と木浦の霧

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屋台で飲みながら放歌高吟

   木浦港でも、宿に荷物を放り込んで、さっそく波止場通りの屋台にくりだした。サンナッチ(テナガダコの活き造り)を肴に、いつもの放歌高吟が始まる。山口先生は、こんなときの用意に常にハモニカを携行している。

木浦の海鮮屋台
赤い電飾が妖しげな光を放つ木浦の海鮮屋台

   「ね、姜さん、『船頭小唄』やりましょうよ」と山口先生がいい、2人は「お〜れは、河原の枯れすすき〜」と歌い始めた。「姜さんは、『赤城の子守歌』がうまいんだ」。で、「泣くなよしよし、ねんねしな〜」。以下、声を合わせて、「夕焼け小焼け」「七つの子」「紅葉」「琵琶湖周航歌」「七里ケ浜の哀歌」と童謡や唱歌が繰り返される。

   「庭の千草も虫の音も……」と山口先生が歌い出すと、姜先生は、「それはもともとアイルランドの民謡なんですね。アイルランドの曲では、ぼくは『ロンドンデリーの歌』が、いちばん好きだな。おおダニー・ボーイ、愛しのわれを……」

   歌は際限なく続いたが、歌詞は全部日本語。山口先生の韓国語力向上の道のりは、なお遠そうに見え、海から押し寄せてきた霧に、木浦の夜は深く包まれてゆくのだった。(つづく・・・第2回「憧れの安東の酒」

交通:釜山→光州(バス)、光州→木浦(鉄道)
朝食:テンジャンチゲ(具だくさんのみそ汁)
昼食:茹でたジャガイモ
夕食:チョギ(イシモチ)のチゲをメインにした韓定食
宿泊:高麗モーテル(2人1室で1泊3万ウォン=1人約1,900円)


   (参考)韓国の鉄道と高速バス

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