韓国の時刻表は、1冊3000ウォン(390円)。新書をひとまわり大きくした程度で、携行には便利だ。列車以外に、高速バス、飛行機、船の発着も載っている。ただ、列車の駅こそ漢字を併記してあるが、あとはハングルばかり。韓国語の知識が多少はないと、解読にてこずる。
オレンジ色のラインが鮮やかな韓国鉄道公社(KORAIL)の車両
鉄道は、ソウル、大邱(テグ)、釜山(プサン)、光州(クァンジュ)といった大都市間を結ぶ超特急KTXと、従来型の特急セマウル号とムグンファ号がある。いずれも全席座席指定。各駅に停車する鈍行列車は、通勤用に1日1往復する便がたまにあったりするが、まずないと思っておいたほうがよい。苦労して時刻表を解読したあげく、乗り換えの接続が悪くて、がっかりしたりもする。
代わりに高速バスを利用する旅行者が多い。高速道路はよく整備されており、主要都市間には、15分、30分間隔で便が頻発していて、時間を気にせずに利用できる。全席座席指定で、シートもゆったりして豪華。ただ、めちゃくちゃ飛ばす運転手がいる。それを目的地に早く着くためにいいことだ思うか、ものすごく怖いと感じるかは、乗客の受け取り方次第である。
韓国風幕の内の駅弁
だから、列車はわりあいすいている。車内販売は、商品のバラエティに欠ける。駅弁にのり巻きと幕の内の2種があり、後者は少し高いが、焼き肉と数種のキムチを組み合わせて非常に味わい深い。音もなく発車し、音もなく停車する車両。のんびりした旅をしたいなら、やはり鉄道ということになる。
韓国ローカル列車の旅を企画している日本の旅行社ワールド航空サービスでは、昨年10月、今年3月に韓国の美しい田舎町を3つのローカル線で訪ねる「韓国ローカル鉄道の旅(6日間)」を売り出したところ、短期間で完売したという。