主役、田中一郎役はKAT-TUNのその名も同じ田中聖。地でやってるんじゃないかと思われるほどハマっている。
クリーニング店を営んでいる親父・勝治役の遠藤憲一がいい。遠藤は、どこか狂気を秘めた影のある役が多いような気がするが、こういううだつの上がらないフツーのトーチャン役もできるのね。そこで一つ発見! 遠藤憲一は「雨上がり決死隊」の宮迫に似ている。
カーチャンに逃げられた親父が反面教師となったか、「すごい男になって日本一の女と結婚しよう」と決意した田中。東大に入ろうと2浪したが、当然無理。入ったところは産業流通大学、略して「産流大」。あれ、こんな名前の大学、なかったっけ?
それにしても、目的が「日本一の女と結婚する」、その手段として「すごい男になる、イコール東大」というこの単純発想が「すごい」ね。
でもいい。男たるもの、「日本一の女と結婚する」くらいのストレートな大志を抱いてくれ。
で、サンリュウ大新入生の田中が考えることは、女の子にモテたいということだけ。合コン目当てで間違って入ってしまったサークルが鉄道研究会。鉄道オタク、いわゆるテツの集まりね。
仲間は4年生の花形(塚本高史)と桃山(秋山竜次)。花形は綿密な性格で、何でも計測する「模型テツ」。けっこうイケメンだが、自分から声をかけられないため女の子には縁が絶無。桃山は金持ちの息子だが、すぐ「脳内妄想旅行」へとイッてしまい、妄想からも大学からも出る気なし。
彼らの溜まり場になっているCAFÉ & BAR「STATION」が瞠目もの。入るといきなり砂利を敷いた線路が続いていて、寝台特急「カシオペア」の内部まで作ってある。さすが「木更津キャッツアイ」「池袋WGP」「タイガー&ドラゴン」の磯山晶プロデューサーのチーム。
「オレだけのヒロイン」目黒照美、略してメーテル(なるほどね)役は栗山千明。田中が目黒に「グッときた」理由は、怒ると突然出てくる茨城なまりと、勇ましい正義感。いいねえ、それも。だけど、やっぱり決定打は風にあおられて見えた電車模様のパンツかな。
なんでも都合のいいように解釈するスーパーポジティブシンキングな田中。でもテツ2人に「友だちになった覚えはない」と言われたときや、目黒に「付き合っている人がいるの」と言われたときは叱られた子犬のようにシュン。その情けない表情がカワイイ。