ノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイ氏が、世界に提唱した日本の精神「もったいない」。このキーワードをテーマに金曜深夜、日本初(?)のエコロジー系バラエティ番組が誕生した。
本番組の企画を担当している小山薫堂(くんどう)氏は『ニューデザインパラダイス』や『アイデアの鍵貸します』といった、いわゆる「おしゃれ」なデザイン系バラエティ番組を手がけてきた放送作家である。そんな彼が、今回は新たな分野である『エコ』をテーマに番組を手がける。
本番組は、2つのテーマを挙げて進行していく。
4月13日の金曜日に放送された記念すべき第1回目の、1つ目のテーマは「バースデーケーキのロウソク」。1回に使う本数は些細なものであるが、1年間に日本国民が使う本数はおよそ5億8000万本だという。重さに換算すると703トン。実にダンプカー70台分が使い捨てられているのである。
「実に、もったいない」
草刈正雄扮する、もったいない博士の口癖である。
次に視聴者からの再利用のアイデアが紹介され、最後にテーマに関するその道のプロが、「エコでおしゃれな」発想から、斬新なリサイクル方法を提案する。
今回、ケーキ作りのプロであるパティシエの中島氏が提案したアイデアは、「メレンゲを棒状にし、その先に酒を含ませた綿菓子を付け、ローソク代わりに使う」というものである。火を消した後はケーキと一緒に食べられる「おいしいローソク」になり、捨てるものがなくなり、なおかつ洒落た演出になるのである。
一石三鳥。まさに発想の転換である。
地球の危機が叫ばれている昨今、このように発想の転換を通して、「楽しくエコを考える」番組となっている。
初めて見た人は、ゆるゆる系のイラストと時々誘うシュールな笑い、そして深夜番組でなぜか草刈正雄が司会(!)という異色の演出に、不思議な感覚を味わうかもしれない。しかしながら小山氏の手がける番組は、あえて脱力感のある、まったりな雰囲気を演出するのが特徴なのである。
1週間の仕事を終えた休息の時間に、エコについて「まったり」考えてみてはいかがだろうか。
*エコラボ ~もったいない博士の異常な愛情 フジテレビ・金曜25時5分