スパモニが足掛け3年、76回にわたって「北朝鮮 終りなき闇」――拉致問題の追跡取材を続けてきた。
この日は番組を去る渡辺宜嗣が、力をこめてパネルに赤い文字シールをべったり張った。 そして宣言するように、語調を高めていった。
「‘北朝鮮 終りなき闇’まだ終わってません!」
曽我ひとみさんの夫ジェンキンス氏が著書『告白』で証言していたルーマニア人拉致被害者ドイナさんの身元が判明した。弟のガブリエル氏が「姉と8割、9割の可能性で似ています。子どもの名前も家族思いだったわたしの名前をつけたんでしょう」
イギリス人が‘北’をテーマにして撮ったドキュメント映画の一場面にドイナさんの二男が映っていた。これまで「ドナさん」といわれていたドイナさんと、脱走米兵のジェイムズ・ドレスノクの間に出来た子どもだった。
イタリア人と離婚したあと、ローマで美術学校に通っていた彼女は‘北’の甘言にだまされた。「東京のある画廊と契約する可能性がある。大金を得ることも・・・」そのまま拉致され脱走米兵と結婚させられて、ふたりの男児を出産。1997年、ドイナさんは曽我ひとみさんの看護もむなしく肺ガンで死亡。
ヨーロッパ人も巻きこまれた事実が判明して新展開とになった‘北’の拉致の実態。ルーマニア政府は北朝鮮に正式に説明を求めたが、いまだに何ら回答はない・・・
これまで<世界12か国、500人以上>といわれる拉致被害者。スパモニのスタジオで「北朝鮮 終りなき闇」「世界拉致の実態」と向かいあってきたやくみつるがいった。
「全貌がわかりました。解決しましたというイメージは叶いませんでしたね」・・・