演歌はずっと
冬の時代です

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   「おふくろさん」問題をテーマにした特集がエスカレート、番組は最近の演歌事情にまで突っ込んだ。

   「いま演歌というと氷川きよしくらいでしょう。演歌はずっと冬の時代です」と鳥越俊太郎。「若い人たちにはこういう歌詞が重苦しいんです」

   「あの男気ぶりは、耳毛までカッコいい」作家・村松友視がいう川内康範氏の作詞家としてのこれまでのスタンスをリポート。

   飛行機事故で引き揚げられた遺体に、外地で野ざらしに放置された旧ニホン兵の遺骨を重ね合わせて「骨まで愛して」(城卓也)を創り、「誰よりも君を愛す」(松尾和子)では命がけの不倫の愛を書いた。 「おふくろさんは、対面した森進一の母親に自分の母をダブらせて、そこに過剰なほどの情念をこめた詞なんです」と作曲家の曽根幸明。曽根は川内氏が作詞した「銀座の女」に曲をつけて森に提供した。

   実はこの「銀座の女」の作詞・作曲コンビが森進一に新曲を提供する下話があった。そのときに森進一が断わったいきさつがあるという。そのとき川内氏は「なんて冷酷なヤツだ」と言っていたとか。今回の騒動はこの一件が尾を引いた・・・

   「愛は命がけで情死覚悟」という作詞家の思いに、作家の山崎洋子は「命がけで愛し愛されることを要求するのは大変な時代です」演歌は重い情念の世界。これが「おふくろさん問題」の本質でもあるだろう。

「同じ構造なのに、なんでYS-11じゃないの?」

   スパモニは高知空港に胴体着陸をした全日空1603便ボンバルディア機の話題をじっくり。

   書くものが名刺以外になかったので、名刺に小さな文字でメモした建築コンサルタントと電話インタビュー。

   「何かあったら家族が知りたいと思いましたので・・・」‘その何か’という事態は最悪の結果だったはず。乗客は機長、乗客乗務員の冷静な対応でパニックにならずに生命を拾った。

   「機長の落ち着いた声でしばらく様子を見ようと。無事に着陸したとき皆さんはざわざわ、ほっとしたその後に拍手が起きて・・・」

   カナダ製の同機は70人乗りで短い滑走路もOK。「経済性があるということで、このサイズの飛行機としてはライバル機がない状態」と航空評論家の中村浩美。「しかし、トラブル、不具合が頻発していてメーカーの資質が問われています」

   そこで鳥越俊太郎が疑問をぶっつけた。「国産のYS-11と同じ構造でしょ。プロペラが付いた双発機ですよね」

   「そうなんです。航空法が変わった、老朽化した、新しい投資が出来ない状態でニホンでは旅客機としてはいなくなりましたが、自衛隊や外国ではあちこちで現役で飛んでいます」

   トラブル=大惨事の飛行機事故。「もしも」でいうなら、性能が評価されていたYS-11の存在が惜しまれる。国産という意味でも・・・と鳥越はいいたかったのだろう。

演歌は愛のせつなさを歌う。「重いなぁという時代風潮」。時代はJポップが全盛だ。愛そのものには踏み込まないで、友情に似た異性の対する感情を爽やかに歌う。スパモニの出演者は「Jポップは軽いなぁ」と感じるような‘年長さん’たちばかり。若い年代に「おふくろさん」という歌がどう響くのかを聞いてみたい。

文   初代不良家
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